ミズナラ

1-016 ミズナラ 道保存樹2011.2.4
ミズナラの大樹です。樹高18m、幹周315cm、樹齢350年 。場所は南区真駒内泉町で、真駒内桜山小学校北側にあります。
1-070 ミズナラ 保存樹2011.7.1
この樹は、北海道記念保護樹木に指定されています(北海道自然環境保護等条例によって)
1-056.jpg2011.2.27
このミズナラは、南区藤野、豊平川沿いの農地に生えています。高さは優に20mは超えています。すっきりした樹形がすばらしいです。
1-089(akaji).jpg2011.4.24
これは、南区南町、真駒内川沿いに生えているものです。高さは12~13mあるかなしかですが、幹径は1mはあります。太い幹と横に拡がる姿がこの樹に重厚な雰囲気を与えています。
ミズナラは、当地ではハルニレと並ぶ落葉大高木です。ハルニレは豊平川が運んできた豊かな土壌(土地)が適しているようで、ハルニレの大木が札幌の中心部に多数残っていいます。一方、ミズナラは中心部にはほとんど見られず、札幌の郊外から奥に入っ山側に多いようです。山間地の道路を自転車で走ると、周りの樹木に比べて幹の太い貫禄のある大きなミズナラに出会うことがあります。
1 冬芽
1-RIMG0030(akaji).jpg2013.2.10
冬芽を保護する芽鱗が鱗状をしていて、きれいです。形は水滴形で、上から見ると、5角形?に角ばっています。
ミズナラは頂芽の回りに多数の側芽を付けます(この写真はその特性を的確に表していませんが)。
1-021 ミズナラ 芽出し2011.5.8
5月上旬、芽吹き始めます。小枝に付いている白い粒々が目に留まります。皮目です。
1-010 ミズナラ2011.5.21
5月中旬、展葉です。
1-077 ミズナラ2011.5.30
雄花で、10cm弱の花序を多数ぶら下げます。花の色は黄色。
1-024 アカナラ 雌花2011.6.3
これは雌花です。目立たないです。0.5~1.5cmの花軸?に数個の花をつけます。花軸のてっぺんに付けるのもあり、花の咲き方はいろいろあるようです。赤いのは花弁のように見えますが・・・。ミズナラは花ではなく、やはり“どんぐり”です。
1-069 ミズナラ 保存樹2011.7.1
前掲のミズナラ。 北海道記念保護樹木の夏姿
1-026 ミズナラ 真駒内川 2012.7.14
真駒内川沿いのミズナラ。道路際から10m程離れたところにあります。樹高より樹幅のほうが広く、横長に大きい樹です。
1-027 ミズナラ2012.7.14
上に横へと伸びる太い幹枝は、童話“ジャックと豆の木”を連想させます。
2 名前の由来
牧野新日本植物図鑑によると、
ミズナラは材に多量の水分が含まれているので、たやすく燃えないからである。一名オオナラともいうが、これは樹が巨大になるからである。
3 Data
・科名 ブナ科
・属名 コナラ属
・学名 Quercus crispula
・花期 5月中旬~6月
・分布 日本(北海道、本州、四国、九州)、千島、サハリン
4 余談
昭和40年度北海道インチ材輸出実績は、北海道林業統計によると約31億円。このうち約80%を占める25億円がナラである。しかし、花形樹種のナラも、その真価が認められるようになったのは明治末期。ナラは堅いのと重いのが特徴。切るにも、割るにも、運ぶのにも骨が折れる。それに、材に多量の水分を含み、簡単に燃えないのでミズナラと呼ばれるように、せっかく切っても乾燥しないとマキにもならない。だからといって、開拓地にこの樹がごろごろしていたのでじゃまでしかたがない。いっそ焼き払ってしまえというので盛んに燃やしてしまった。
だが、貴重なナラ材のこの長い「受難時代」は、英語のオーク(oak)をはじめにカシ(樫)と訳したため、ナラ(楢)もオークだ、ということに気づかなかったためだ。欧米では楢も樫もオークだが、日本ではこの二つを明確にわけていたことからきた行違いである。(北方植物園より)
このあと、ヨーロッパではミズナラが高級家具材であることや、ビール樽に向くなどの話が続きます。時代やところによって材の評価が変わるところが面白いですね。
*インチ材:厚さが1インチ(25.4mm)の板材のこと。2×4材(ツーバイフォー)は 木口(側面)の厚さが2インチで幅が4インチの材のこと(実際は乾燥等によりもう少し薄いようです)。

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ミズナラ」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    ミズナラの大木、どっしりと構えてその重厚な雰囲気に圧倒されますね!
    ブナにはない風格や威厳を感じました。
    街中にこれほどの大木があるというのもすごいです。
    聞いた話ですが、
    かつて日本も外貨を稼がなければならなかった時代に山奥にあるミズナラの大木が切り出され、
    アメリカにも輸出されていたので西部の鉄道の枕木は日本のミズナラが使われているかもしれないらしいです。
    寿命の長い木は木材としても優秀なんですね。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんばんは。
    いつもコメントありがとうございます。
    本州には、マツ、スギ、イチョウ、クスノキと大木になる樹種は多いのですが、北海道では、“太くて大きな樹”“重量感があって貫禄のある樹”といえば、ハリギリ、ヤチダモ、カシワなども大きくなりますが、自分の周りで大きい樹をよく見かけるためか、ハルニレとミザナラを挙げてしまします。
    ナラ材は、ウイスキーの樽材として有名です。理由は、その丈夫さと樽からの液漏れがしにくいことにあるらしいです。それにもう一つ、スコッチウイスキーには「3年寝かせてウイスキー」という格言があるそうですが(最低でも3年寝かさないとウイスキーではないという意味らしいです)、なら材にはウイスキーの味、香り、色を醸成するのに不可欠な成分が含まれており、それが、3年目ごろから樽材から溶出するそうです。国産のミズナラ材で熟成させたウイスキーは、本場イギリスで高く評価されているそうです。ニッカ、サントリーどちらかは知りませんが、京都山崎のサントリーでなく、北海道余市のニッカという感じはします。

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