ブドウ苗木の植付け

昨年の秋にプルーンを伐採しました。 その場所にブドウの苗木を植え付けしました。 植え付け前に迷ったことが2つあって、一つは棚にするか柵にするか?ということと、もう一つは、どの品種を植えるか?ということでした。

一つ目の棚か柵か?については、
➀ 庭に棚を設置すると場所をとる、畑が狭くなる
➁ 設置(造作)が柵に比べて難しい
➂ ブドウは毎年剪定をする必要があるので、その作業が頭上で、しかも棚に絡みついたツルを処理するのに手間がかかる、作業性が悪い

以上の理由でブドウ柵にしました。
ホーマックで直径3cmほどの鋼管を購入、写真のようにつなぎ合わせて組み立てました。 柵の高さは約2m、幅は3mで、鋼管の間は針金を30~40cm間隔で張りました。 直径2mmの針金でもピンと張るのは難しく波打ってしまいました。 風で倒れないように鋼管を焼き丸太で支えています。 おそらく、このブドウ柵で強風にも耐え、10年くらいは持つと思うのですが・・・・・・。 来年、少しは収穫できるのではないかと楽しみにしています。
2021.4.15

二つ目のどの品種を植えるか?については、北海道で古くから栽培されているブドウ品種、キャンベルアーリー(果皮:黒紫)やナイアガラ(白)、ポートランド(淡緑)などの品種がありまが、 その中で、キャンベルアーリーは甘さの中に適度な酸味があって美味しいのですが、種の回りが酸っぱいのが難点で、残りの二つの白系のブドウも自分の好みではないので当初から植え付けようとは考えていませんでした。
それでネットで調べると、ブドウには巨峰や昨今スーパーでよく見かけるシャインマスカットなどの大粒の品種からデラウェアのように小粒まで多種多様な品種が数十種以上あるのです。 しかもそれを植え付けるに当たって考慮する条件は、味、栽培の難易度、粒の大きさ、果実の色などいろいろあって、どの品種を選ぶかは非常に迷うところです。 特に巨峰やシャインマスカットのように大粒品種は札幌では生育期間の温度が不足(夏場の気温が低い)して果実は生っても甘くならないために、総着果量や一房の着果数(粒数)を制限するなど、栽培管理が難しいようです。

ブドウは沖縄から北海道まで栽培が可能な果樹ですが、それぞれの品種には栽培の難易度や寒さへの適応度など、その品種が持っている特性があり、特に札幌(北海道)の場合は、この地方の寒さに耐えられるか?(耐寒性)が重要になります。 昔からこの札幌周辺で植えられている品種以外でどの品種がそれに適応するか?(推奨品種)を参考図書(北の果樹園芸:北海道新聞社)で調べると、以下の品種が載っていました。

① ポートランド(中粒)
② キャンベルアーリー(中粒)
③ ナイアガラ(中粒)
④ ノースレッド(中粒)
⑤ ノースブラック(中粒)
⑥ デラウェア(小粒)
⑦ バッファロー(中粒)

①、②、③ は除外して、④~⑦の品種の中から選ぶことになるのですが、自分としてはタネ無しであることが重要なポイントだったので、④ノースレッドと⑤ノースブラックが外れて⑥デラウェアと➆バッファローが残ります。 少し手間はかかりますが、⑥、➆は共にジベレリン処理でタネ無しにできるので、この2品種に決めました。 特に、③デラウェアは、初心者にも作りやすい品種ということと、遠い昔の子供のころ、お盆の祭壇に供えられていた、あの上品な甘さの懐かしい記憶も手伝って、デラウェアに決めました。
2021.4.15
デラウェアとバッファローの2品種を購入、写真はデラウェアの苗木。 高さは50cm程。
デラウェアは新葉が開く前の苗木でしたが、バッファロウは新芽が3cm程伸びていました。 よく見ると、その新芽はこれから勢いよくのびるのではなく、水気がなく枯れてしまいそうなのです。 おそらく、5月中下旬に新たに芽が伸び出してくるのではないか?と思っています。 苗木の注文が少し遅く、3月下旬にすべきだったのか? と思っています。

〇 ブドウのウィルスフリー苗について

ウィルスフリー苗を使う理由は、アブラムシなどの昆虫やセンチュウ類、土壌菌などが植物体に侵入若しくは傷をつけることで、その時にウィルスが植物体に悪さをすることで葉が小さく縮れたり、斑模様になって植物体を弱らせる原因をつくることです。 有名なのがイチゴのウィルスフリー苗です。 購入した年はウィルスフリー苗で大きな果実が穫れても、次年度以降はアブラムシによる葉の吸汁によりイチゴの植物体にウィルスが混入し、それが原因でしだいに大きな実も数も少なくなってきます。 なので、イチゴ苗は4年程で苗を更新する必要があるのです。
また、ジャガイモも毎年種芋を新しく購入する必要があります。 その年に収穫したイモを翌年に種イモとして植え付けると、葉が小さく縮れて株が大きくならないことが起こります。 これはジャガイモの種イモにウィルスが入ってしまったからです。 これもアブラムシによる吸汁が原因です。

それと同じで、ブドウにもウィルスがつくのです。 ウィルスの被害が出るのは、長くブドウ栽培をしている畑で、個人の庭でブドウを作ったこともないような場所では出ないといわれていますが、イチゴやバレイショはそれが出れば翌年は新しい種イモにするか新しい苗を買って植えればいいのですが、ブドウのように永年作物は、一度植えればそう容易く植え替えすることもできません。 それにウィルスフリー苗(接ぎ木苗)は挿し木苗に比べて高価なのです。 挿し木苗が1000円~2000円なのに対しウィルスフリー苗は3000円以上するのです。 それにネットで購入すると送料も高く、1本が5000円以上になるのです。
しかし、この年齢になると、植えてから2~3年後にウィルスに気づいても遅いので、ウィルスフリー苗を購入することにしました。

「北の果樹園芸」には以下のように書かれています。

近年、ウィルスフリー苗(ウィルス病を保毒していない苗)が販売されています。苗木の価格はやや高いですが、フリー苗のほうが好ましいと思います。 なお、ウィルスフリー苗は初期成育が旺盛になりやすいことが特徴です。

 

<余談 >
下の写真は昨秋伐採したプルーンの根っこ。 お椀状の台木とその下の四方に張り出した太い根。
2021.4.15
プルーン  伐採
⇒ プルーン 接ぎ木:台勝ち

 

 

 

 

 

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