プルーン 接ぎ木:台勝ち

プルーンを伐採することにしました。 袋掛けをして、さらに薬を年3回かけてもシンクイムシにやられてしまうのです。 6月中旬に450個の果実に袋掛けをしました。 しかし、食べることができたのは25個ほどです。 ほとんどがシンクムシに入られて落ちてしまいました。

⇒ プルーン  袋掛け果実落下

今回はそのシンクイムシの話ではなく接ぎ木に関することです。
リンゴやナシなど背丈が高くなる果樹はほとんどが接ぎ木されたものですが、我家の今冬伐採されるプルーンも同様です。 しかし、このプルーンは少し変わっていて、地際の接ぎ木した部分がお椀を逆さにしたような形で膨らんでいるのです。 2020.10.15
我家のプルーンは苗木を植えて30年余 。 根元幹径は16cm。 穂木(プルーンの灰白色の樹肌)と台木の接合部分がはっきりとわかる。

つぎ木した果樹を長年月栽培していると、台木とつぎ穂の間で発育量の差が蓄積して、つぎ木の接合部を境にして幹の太さに大きな差ができることがある。 このとき、台木が穂より小さいと台負け、逆に台木が大きいときは台勝ちという。 リンゴでミツバカイドウの台負け、マルバカイドウ台木の台勝ちがよく知られている。(果樹関係用語解説2)

上述の説明のように、我家のプルーンは台勝ちのようです。
「台勝ち」という現象をもう少し具体的にいうと、
樹木の生長(幹枝根がが太る)は葉で出来た養分が幹や根に渡って太くなるのですが、幹よりも根の方が太くなる(膨らむ)ということは、根の生長が旺盛で幹にいく養分より根にいく養分の方が多く、細胞数が多くなる?、1個1個の細胞が大きくなる?ので根が太るということになります。 反対に、台負けはその逆です。
そうすると、接ぎ木の穂木と台木の細胞の接合面はどうなるんでしょうね? 少しはずれるが水や養分の行き来に影響するほどではないということでしょうか? 実際に我家のプルーンは元気に育っていましたから。

ところで、プルーンの台木には何が使われているのでしょうか?
農業技術体系によると、

スモモはバラ科サクラ属のスモモ亜属に属し、北半球の温帯地域で発達したものが多く、東アジアに分布するニホンスモモ(プラム) とアジア西部からヨーロッパに分布するヨーロッパスモモ(プルーン)に分けられる。 ヨーロッパスモモ(プルーン)はドメスチカスモモとも呼ばれているが変異が大きく、果実の外観や用途(生食、缶詰、加工用)によっていくつかの系統に分けられており、プルーンはその系統の一つである。

接ぎ木の台木は、穂木との親和性(相性)や病気や土壌などその土地の環境条件に応じて選抜にされる。 歴史のあるヨーロッパではドメスチカスモが使われており。そのほかにアーモンド、モモ、ユスラウメ、スピノーサスモモなどがり、日本ではモモが広く使用されている。

2020.2.15
アーモンド 豊平公園緑のセンター


2020.5.8                                                                             2013.7.15
ユスラウメ 百合が原公園


2016.5.17                                                                             2012.9.30
スピノーサスモモ 森林総合研究所

 プルーン 開花

我が家にあるプルーンの品種「サンプルーン」は日本(長野県)で作出されており、その台木に何が使われているか?については、 日本の高温多湿な条件を考えると、ドメスチカスモモ(セイヨウスモモ)やアーモンドのように雨量の少ない地域に生えている外国に起源を持つ種類ではなく、モモが使われている可能性が高いと推測していたのですが、我家のプルーンの台木から生えているひこばえの葉を見ると、モモ特有の細長い葉ではなく、別の種類の台木が使われているようです。

 

 

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