シャクナゲはなぜ冬に葉を丸めるのか?

030 シャクナゲ2012.3.10
この写真は、豊平公園の緑のセンター前にあるシャクナゲを撮ったものです。樹高は3m程あり、なかなか立派なシャクナゲです。樹冠全体が赤茶けて見えるのは、種子がはじけ飛んだ後に残った殻が原因です。
031 シャクナゲ2012.3.10
種類は、葉裏が赤っぽく見えますので、おそらくアズマシャクナゲだと思います。
シャクナゲは、冬になると葉を丸めます。そして、写真のように垂直に垂れ下がります。
その理由は、葉から水分を幹の方に移動させて、細胞内の水分(溶液)の濃度を濃くすることで細胞内の凍結を起こりにくくし、耐寒性を高めるためと思っていました。それが葉を丸めるという現象となって現れていると考えていました。
しかし、それだけではないようなのです。
一つは、葉からの蒸散を抑えて乾燥から身を守ること(量は少ないけれども冬季間でも葉からの蒸散は行われる)この点については納得できます。
二つ目は、葉を巻くことで光の当たる面積を小さくしているというのです。説明を読んでもいまいちピンとこないのです。いろいろ調べてみました。
植物は、通常夏場には、根から吸い上げた水分、葉から吸収した二酸化炭素と太陽の光をエネルギーに変えて、これらを使ってデンプンを作っています。中高生のとき習った光合成です。
ここまではいいのですが、植物は葉から吸収した二酸化炭素と光エネルギーを同じ量を使えば問題はないのですが、高温で太陽光線の強い場合には吸収した光エネルギーが余ることが起こるのだそうです。余った光エナルギーが化学変化を起こして活性酸素になるというのです。その活性酸素が悪さをして、細胞が枯死する葉やけ起こしてしまうというのです。このことが、冬季間でも同じようなことが起こるため、なるべく光を受けないようにするために葉を丸めるというのです。人間でも活性酸素が細胞を傷つけて癌化させるとか、老化や病気の原因の多くは、この活性酸素だといわれています。これらのことを考えると、人間=動物もシャクナゲ=植物も、根源的なところでは同じなのですね。
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