チョウセンゴミシ  性転換

2018.5.23
チョウセンゴミシは、一風変わった名前のためにその名前だけは知っているのですが、同じつる性で花冠が大きいツルアジサイやイワガラミに比べると花が小さいために目立たないためかほとんど見かけません。 また、花の色や形状はコクワやマタタビに比較的似ているのですが、それらに比べると個体数が少ないためか、やはり、ほとんど見かけません。
2018.5.23
上の写真、チョウセンゴミシは南区にある藤野高台公園の自然林で、道路脇に生えています。 昨春、このチョウセンゴミシの株を見つけたのですが、秋になっても赤い果実をつけませんでした。 自然林の北側に生えていることと周りの大きな樹木で陰になるために実が生らないのか?と思っていました。
調べてみると、ウェブページや「樹に咲く花」は雌雄異株と書かれているのですが、北海道樹木図鑑には、
雄花と雌花があるが、片方の花のみつくことが多く、雌雄異株のように思われている」とあり、
園芸植物大辞典では、
「マツブサ科 マツブサ属はつる性の木本で、雌雄同株または同異」とあります。 チョウセンゴミシを含めてマツブサ属は、雄花と雌花を持つ株もあるが、雄花のみと雌花のみの株もある ということのようです。

さらに調べると、チョウセンゴミシは、ある年は雄花だけをつけ、その次の年は雄花と雌花をつけ、またある年は雌花になったりと、性が不安定というか、同じ株で性が転換するらしいのです。 ⇒ チョウセンゴミシの開花結実特性

 2018.5.23

ということで、藤野高台公園で見つけたチョウセンゴミシは、今年は雌花のようなので、今秋は赤い実が見られるかもしれません。 ただし、雌花だけの可能性もあり、一概に実をつけるとは言えないですが・・・・・・・。

それにしても面白いですね。 植物の進化とは偶然のいたずらで、なんでも有りの世界なんですね。

<余談>
日本に自生しているつる性植物なのに、なぜ朝鮮がつくのか?
調べてみると、
「チョウセンゴミシは日本に自生していましたが、存在が知られておらず、江戸時代、享保年間に朝鮮から種を輸入したため、外国からの帰化植物のような名前になっています。このことは、平賀源内の『 物類品隲(ぶつるいひんしつ)』に、「種子を享保の頃輸入し、幕府の御薬園に栽培した。葉はアンズの葉に似て、蔓で伸びる。その実は南五味子に似ている。駿河国(するがのくに)産のものは朝鮮産に比べて異なるところはない。幕府の命により、駿河のものを採取して調べたところ、朝鮮産と同じものであることが分かり、それ以後は毎年駿河国産のものを幕府に献上している」とあります。」  ⇒ 東邦大学薬学部薬用植物園

 

 

 

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