道庁前北3条広場  イルミネーション

11月下旬から札幌駅~南1条まで駅前通と大通公園を中心に “さっぽろイルミネーション” が始まっています。 札幌の中心部は、LEDライトの光で、夏場の夜とは違う、別世界の輝きを放っています。
下の写真は、その一つである北三条広場のイルミネーションです。 道庁前から駅前通りまでの1町間にある街路樹イチョウにイルミネーションが取り付けられています。
2017.12.14
撮り方が悪いのか、カメラが安物なのか、実際にその場で見る方がずっときれいです。

写真では分らないのですが、LEDライトは赤、黄、白、青と色が変化してその場の雰囲気を変えるようにセットされています。
道庁内のイルミネーションを見て北3条広場へ行ったのですが、中国人と思われる観光客の人たちがイルミネーションを背景に写真を撮っている姿を多く見かけました。

今回の話題はイルミネーションの輝き・美しさではなく、これを設置して取外しまでの期間に電気代も含めてどれくらいの費用がかかるかについてです。

2017.11.16

11月中旬、北3条広場(道庁前イチョウ並木)の前を通ると、高所作業車が何台も連なって何かの作業をしています。 一瞬、イチョウの剪定?と思ったのですが、剪定作業に何台も高所作業車を並べてすることはありません。 よく見ると、高所作業車の先に付いているボックスの中に作業員が2人いて、コードのようなものをイチョウに取り付けています。 11月24日から始まったイルミネーションの飾り付け作業のようです。

大通公園の夜のイルミネーションは度々見ているのですが、このように車を使って飾り付けをしている現場を見るのは初めてです。 この作業はなかなか大がかりなものだなと思いつつ、これってどれくらいの費用がかかるのかな?と思ってしまいました。

それで試算してみました。
高所作業車1台で1日にイチョウの樹に飾り付けが出来る本数を2本と仮定(少し少ない?)して、道庁前イチョウ並木は29本ありますが、イルミネーション(LEDライト)を飾り付けているのは16本なので、
16本 ÷ 2本/台 = 8台です。
イチョウの樹高は高いもので20m近くあるので、とりあえず、22m級の高所作業車を使うことにします。
高所作業車1台に付き、飾り付けをする人1名とその補助が1名の2名が必要です。 なので、飾り付けをする人8名、その補助8名となります。 また、イルミネーションを飾り付けたイチョウの樹にそれぞれ管理ボックスが取り付けられており、その設置作業に電工とその補助が必要です。 人数は電工2人、その補助2人とします。

これをまとめると(イルミネーションを取り付ける作業)、
・高所作業車        8台 × 39,000円 = 312,000円
・その運転手        8名 × 17,900円 = 143,200円
・飾り付けする人      8名 × 18,700円 = 149,600円
・その補助         8名 × 15,400円 = 123,200円
・電源ボックスを設置する人 2名 × 19,200円 =  38,400円
・その補助         2名 × 15,400円 =  30,800円

・合計               = 797,200円 ≒ 797,000円
となります(電源ボックス本体の費用は分らないので省略)

これは飾り付け作業で、イルミネーションが終わるとその後に撤去作業があります。
この作業は取付より時間がかからないと考えて0.7掛けで計算します。
・797,000 × 0.7 ≒ 557,900円
イルミネーションの飾り付けとその撤去の合計費用は、1,354,900円
それにこの作業を請負った会社の経費(とりあえず合計費用の30%として)は
・経費  1,354,900,円 × 30% = 406,470円

イルミネーションの飾り付けとその撤去にかかる費用に経費を加えると
1,354,900円 + 406,470円 = 1,761,370円
となります。

それに材料代(電球)と電気代がかかります。

先ず材料代(電球)ですが、16本のイチョウの樹に全部で45,000球を飾り付けているとのことです。 電球(LED)をウェブサイトで調べると、北3条広場と同じような電球を使っているものは、9mのコードに電球が60球ついているものが2,000円ほどです。 これが北3条広場のものとどの程度違うかは分りませんが、とりあえず、これを使って計算してみると、

45,000球 ÷ 60球 = 750本
750本 × 2,000円 = 1,500,000円

これを5回(5シーズン)使うとすると、 1回当りの金額は
1,500,000円 ÷ 5回 = 300,000円/回
となります。

次に電気代です。

電気代の計算式は、
商品のkw数 × 日数 × 1日の使用時間 × 電力量料金(kwh)= 電気代
で計算します。
・商品のkw数は60球で4wですので、
4w/60球 × 45,000球 = 3,000w = 3kw
・日数 開催期間は、11月24日~3月14日ですので、111日となります。
・1日の使用時間は、とりあえず、17時~22時にして、5時間とします。
・電力量料金(kwh)は、基本料金や使用量によって単価が変わるので、とりあえず、30円/kwh(時間当たり)とします。
そうすると、
3kw × 111日 × 5時間 × 30円 = 49,950円

電気代はイルミネーションの設置に比べると大したことはありません。

全ての費用を合計すると、
・イルミネーションの設置費 1,761,370円
・材料代(LEDライト)    300,000円
・電気代             49,950円
・合計           2,111,320円
・消費税            168,905円
・総合計          2,280,225円
となります。
以上の計算は単なる試算ですが、それでもおおよそ230~300万円くらいは掛かっているのではないでしょうか。

この北3条広場のイルミネーション以外に大通公園や駅前広場等にもイルミネーションが設置されています。
これら全体の飾り付け費用を計算してみると・・・。 北三条広場が45、000球のLEDライトを使っていますが、札幌市都心部全体で使用されている電球数が830,000球です。 これら全部の費用を電球数比(45,000球で230万円かかっているので、830,000球に換算する)で計算すると、全体の総費用は約4,242万円になります。 おそらく、全体では4,000~5,000万円くらい、若しくはそれ以上の費用は掛かっているのではないでしょうか

この金額を高いと見るか、安いと見るかは判断の分かれるところでしょうが、札幌市のイメージアップ、冬の観光客誘致のため、その他理由はいろいろあるでしょうが、これらの観点からすれば、このイルミネーションは観光都市札幌にとって、「高くはない、十分価値のあるもの、いや、それ以上のもの」のように思われます。

 

 

 

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