2017.9.9
写真の大樹は樹齢100年を越えるエゾヤマザクラ。 新ひだか町(静内)にある二十間道路桜並木の内の1本です。 樹木に幹巻テープが施されている部分は治療中です。
今回の話題は、赤丸で囲った部分。 二股に分かれている1本が二つに割れているように見えます。 写真を拡大してみると、
2017.9.9
この細長い凹みは、この部分から出ていた枝が折れてできたもの?、それとも 元は二つの枝であったものが成長の加減で1本になった? 一体どうしてこのような凹みができるのでしょうか?
この二十間道路桜並木に携わっている方の説明によると、
この太枝の上部が風に揺さぶられて、その荷重が二股の分岐部にかかり、それが原因で太枝に亀裂が走り、長期間に渡り亀裂の拡大・修復を繰り返して出来た凹みとの話。
この樹肌の巻き込みから見て、亀裂が出来てから10年?15年?、いや、それ以上の年月が経っている可能性がありそうですが、それにしても、この太枝が分岐部からよく折れなかったものですね。 日高地方は強風の少ない地域なのでしょうね。
ちなみに、札幌など都市の風の強さ(過去30年間の年間平均風速)を調べてみると
・静内 1,9m/S
・札幌 3.7m
・稚内 4.5m
・根室 4.5m
・函館 3.7m
・仙台 3.3m
・東京 2.9m
・大阪 2.6m
・福岡 3.1m
本州は台風が来るので、北海道に比べて風は強いのかな?と思っていたのですが、思惑とは逆でした。 全体的には、高緯度の都市ほど風は強くなっています。 やはり、冬の北風が平均値を上げているのでしょうね。
それにしても、静内の1,9m/Sという数値は、全国的にも低い値ですが、北海道内だけで比較すると、その値は札幌の半分で、それは極め付けの低さです。