テマリカンボク

5月は夏を思わせる暑い日が周期的に訪れて、全般的に暖かい月だったというイメージを持っています。 それに、気象庁は長期予報で今夏は極暑になると予想しているので、「今年の夏は暑い日が続くのだろう」と心の準備をしていたのです。
ところが、6月に入って、先週の後半、金曜日、土曜日、日曜日と肌寒い日が続き、5月を通り越して4月中下旬の気候になってしまいました。 ストーブをつけてしまいました。 自分の記憶では、札幌に来て40年以上になりますが、6月にストーブをつけるのは初めてのように思います。 それくらい週末は肌寒かったです。

サクラ類やツツジ類の花もサツキを除いてほとんど終わってしまい、このごろ個人の庭でよく見かけるのは、テマリカンボクやカンボク、オオデマリなどガマズミ属の花です。 今回はその一つ、テマリカンボク。
 2012.6.19
森林総合研究所 高さ2.5~3.0m

2012.6.10
ススキノの近くで見つけました。
テマリカンボクは、新しく出来た住宅街というより比較的古い街並み、建物の周りに植えられていることが多いように思います。 右の白い花はライラック。

2012.6.14
テマリカンボクの花は、
・カンボクの花がすべて※装飾花になった品種(北海道樹木図鑑)
・両性花がなく、花序は大型で、直径15cm近くもある。 装飾花が多数ボール状に集まってつくことから(樹に咲く花)
※装飾花 :雄しべ・雌しべが退化し、花びらや萼(がく)が発達 した花。 ガクアジアサイがアジサイになったのと同じパターン。
2015.4.22
テマリカンボクの芽出し

今、ちょうど、テマリカンボクとオオデマリが最盛期を迎えています。
この両種は、花色が白、花の形もボール状で大変に似ています。 遠くから見るとほとんど区別ができませんが、近づいてみると葉形が全く違うので直ぐ判ります。
2017.6.3
左  : オオデマリ(葉を採取した木がサンゴジュハムシに食害されていたので、本来なら葉色はもっとよく、葉も写真より大きい)
右  :  2枚の葉はテマリカンボク。 葉は3中裂するが、鋸歯は葉によって異なり、ほとんど全縁のものから粗い鋸歯のものまで様々。

<札幌で身近に見られるガマズミ属>
〇カンボク Viburnum opulus var. calvescens Hara(V.sargent Koehne)
公園、個人の庭。
〇テマリカンボク Viburnum var.calvescens f.sterile Makino
公園、個人の庭。  カンボクの花がすべて装飾花になった品種
〇オオデマリ Vibrnum plicatum Thunb 個人の庭
〇ガマズミ Viburnum dialatum thumb  個人の庭
〇ミヤマガマズミ Viburunum wrightii  身近な自然林

  
カンボク 2011.6.11                                  ガマズミ 2013.6.30


オオデマリ 2014.5.31                                  ミヤマガマズミ 2017.6.3
開花日については、その年度や場所によって差が出てきます。 ガマズミの撮影日が6月30日となっていますが、開花日の早晩については、先ず、ガマズミが咲いて、その後にテマリカンボク、オオデマリが咲いてくるイメージです。 ミヤマガマズミについては街中で見られない、山の中なので、いまいち分かりません。

 

 

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