ニセアカシアの繁殖力

080 ニセアカシア 藻岩橋から2012.6.16
藻岩橋から豊平川の下流(ミュンヘン大橋に向かって)を撮った写真です。河原に白い点々が見えます。ニセアカシアの花です。
024 豊平川 石山大橋2012.6.18
石山大橋から下流側を撮ったものです。右岸側河原に白く見えるのはニセアカシアの花です。正面奥の薄い黄緑色をしている樹木もニセアカシアの花です。
南区内で流れている豊平川には、あちこちにいたるところにニセアカシアが生えています。
ニセアカシアは、明治初期に日本に導入されて以来、痩せ地でも成長が良いために、砂防・治山に利用されてきました。山奥に植えられたニセアカシアは、崩壊地に根を張り、山の斜面の安定に貢献してきたのですが、そこで成長した樹から出来た種子が河川の水に流されて下流の河原に定着していきました。
ニセアカシアの種子は、すぐに発芽するタイプと土の中で何年も休眠できるタイプの2種類があり、今、豊平川の河原で見られるニセアカシアは、川の水に流されてきて発芽した後者のタイプのようです。
027 ニセアカシア2011.7.5
この写真は、南区郊外の住宅団地横の緑地帯にあるニセアカシアを伐採して、そのあとの翌年の7月に撮ったものです。あたり一面にニセアカシアの芽が吹いています。ニセアカシアは、根の途中から芽を出して成長する「根萌芽」という増え方をします。これを放っておくと、数年後にはニセアカシアの藪になってしまいます。
027 ニセアカシア 種子 樹齢5~6年?2011.2.11
このニセアカシアは、樹齢4~5年くらいと思われます。枝にびっしり豆果をつけています。若いときから旺盛な繁殖能力を持っているのです。
道路工事できた法面や空き地にニセアカシアが集団で生えているのを見かけますが、それらは、この繁殖力によるものと思います。
これら3つの事例はニセアカシアの繁殖力の強さをあらわしています。この旺盛さが原因で、元々その地域に自生している植物に影響を与えるということで、外来生物法の要注意外来生物リストにあげられています。全国各地の河川では、ニセアカシアの伐採除去がおこなれています。その一方で、ニセアカシアの花から良質なハチミツが取れるため、養蜂関係者は、このニセアカシアの伐採に反対しています。
札幌市でも、駅前通の地下通路工事に伴う道路改修時に、歩道に植えられているニセアカシアを存続させるべきかどうかで問題になりました。
私たちは、普段何気なく公園や街路樹のニセアカシアを見ていますが、このニセアカシアはいろいろと問題の多い樹木なのです。
追記:2012.7.11
原産地の北米では,ある大きさに達したニセアカシアの多くがカミキリムシの一種によって幹に無数の孔を開けられ,強風や冠雪によって倒れてしまうのだそうです。

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