冬囲い(その1)

昨日(12月13日 土曜日)は一日中雪が降っていました。 強い降り方ではなかったのですが、長時間降っていたので、30cmくらい積もったのでしょうか? 昨晩、除雪車が入りました。 今冬初めてです。 今朝、早速、玄関前の除雪です。雪は水分の少ない乾雪なので、スイスイと“雪はね”ができて、思ったほど時間はかかりませんでした。 シーズン当初の“雪はね”は比較的楽なのですが、1月も後半に入ると雪の投げ場がなくなって、“ママさんダンプ”で雪を運ぶのに時間がかかるようになります。 これを考えると少し憂鬱になります。 これから3月上旬まで約3ヶ月間、毎年なんですが、雪が降るたびに“雪はね”を気にしなければならない時期に入りました。
今日は、冬囲いです。
札幌は、一シーズンの降雪量は地域によって違いはありますが、5~7mで、積雪深は約1mです。積雪期間も12上中旬~3月末までと3ヶ月を超えます。 家の周りの雪は、屋根からの雪の落下や通路の雪を積み上げるために自然に積った雪に比べて重く、樹木にかかる雪の荷重は相当なものです。 枝折れなどを防ぐために、冬囲い・雪囲いは、雪の多い地方:札幌では、どうしても必要な作業になっています。
1-008 冬囲い2014.11.23
大きなマツやオンコ(イチイ)などが植えられている立派な庭では、写真のように雪の重みで枝が折れないように、わらボッチをつけた雪吊りを施します。 この“冬囲い”は、素人ではなく専門業者(造園屋さん)の仕事のようです。
1-007 冬囲い2014.11.23
雪が積ると“わらボッチ”が引き立ち、風情がでます。
<余談:雪の重さ>
雪の重さってどれくらいなのか? 樹木にかかる積雪荷重はどれくらいなのか? 樹は、株物から大きな樹、常緑樹や落葉樹、様々な形状と多種多様で、樹木の枝にどれくらいの荷重かかるか?となると、そのような計算はどのようにするのか解らないし資料もないので、とりあえず、屋根に積った雪の重さ(積雪荷重)を参考にしました。
建築基準法第86条に以下のように書かれています。
「積雪荷重は、積雪の単位荷重に屋根の水平投影面積及びその地方における垂直積雪量を乗じて計算しなければならない。」
「前項に規定する積雪の単位荷重は、積雪量1cmごとに1m2につき20N以上としなければならない。ただし、特定行政庁は、規則で、国土交通大臣が定める基準に基づいて多雪区域を指定し、その区域につきこれと異なる定めをすることができる。」
それで、多雪地区に該当する札幌の積雪荷重は、
・単位荷重   : 30n/㎡・cm以上
・垂直積雪量 : 1.4m
となり、積雪荷重を計算すると、
・140cm × 30n/㎡・cm = 4,200N/㎡
となります。
この意味は、㎡当たり 4,200N(ニュートン)の荷重がかかっていることになります。 1Nは、約100gに相当しますので、420,000g = 420kgとなります。 屋根に雪が1.4m積った場合、屋根1㎡当たり420kgの重さがかかることになります。 建築家はこれのほかに風や地震などの諸条件を加えて家屋の設計(構造計算)をします。
札幌は、例年1mくらいの積雪深ですから、
・100cm × 30N/㎡・cm = 3000Nで、屋根に雪が1.0m積った場合、屋根1㎡当たり300kgの重さがかかることになります.。 100㎡の無落雪屋根の場合、30tの雪が乗っていることになります。
この基準を、とりあえず樹木(株物):ドウダンツツジの玉物(直径50cm、高さ50cm)に当てはめてみました。
50cm※1 × 30N/㎡・cm × (0.25×0.25×3.14×0.7※2) = 20.6kg
小学1年生の平均体重が21.1kgですので、直径50cmのドウダツツジ玉物の上に小学1年生1人が乗っていることになります。
これは、積雪深1m(ドウダンツツジの上に乗っている雪の深さは50cm)で計算していますので、この重さがドウダンツツジにかかるのは、最も積雪が深くなる3月上中旬ごろです。
※1 : 50cmは、(積雪深:1m - ドウダンツツジの高さ:50cm)の意味です。
※2 : 0.7という数値は、真上からドウダンツツジを見ると、枝と枝の間に隙間があるので、その隙間が3割くらいとして0.7を入れています。
もう一つ、積もった雪はただ上に乗っかっているだけではなく、下から解けていきますので、枝は下に引っ張れらることになります。 ので、 数値以上の荷重がかかっているのではないでしょうか。

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