サンシュユ(その3):赤い果実 

11月28日のブログ、“サンシュユ(その2)”の続きです。
1-022  サンシュユ2014.11.30
サンシュユの実は、長さ1cm強~1.5cmの長楕円形で、その中に長さ1cm程の種子が入っています。 それを食べてみました。 口に入れると最初 “グミ” に似た甘い味がします。 その後、甘苦い味が口の中に拡がります。 ニガキのようにつばを吐きたくなるような強烈な苦味ではないのですが、“グミ”の味より、その甘さの中にある苦味の方が印象に残ります。そんなに食べられるものではありません。
サンシュユは、江戸時代半ば(享保7年:1722年)に、朝鮮から薬用として果実が渡来したのが最初といわれている。秋、赤く熟した果実の核をのぞき、果肉をほしたものを薬用で “山茱萸(サンシュユ)” といい、煎じて強壮、強精薬、健胃剤とし、また、果実酒として飲用する。 朝鮮半島中北部と中国の浙江省晶化※ 付近に野生し、晶化では果肉をとるために栽植していた。 (世界の植物より)
※晶化 : 上海の南約300kmにある温州市郊外にある場所のようです。
<余談>
インターネットでサンシュユの画像を見ると、赤い実が枝にびっしりついている写真を見ます。
→  サンシュユの実がたわわに生っている写真
一方、 札幌市内の公園などで見るサンシュユは、花はきれいに咲くのですが、赤い実はポツポツとしかつけないのです。 「札幌は北国で寒いし、植えている場所が公園だから、剪定はしていないし、確実に肥料もやってはいないだろうし、 だから、札幌では実を大してつけないのだろう」 と自分で勝手に結論づけていたのです。 ところが、当ブログを書くために、インターネットで調べていたら、札幌の方でサンシュユを庭に植えていて、それがたくさんの実をつけている写真を載せているブログを見つけてのです。
→  花ときどき十七音
これだけ実をつければなかなかのものです。
サンシュユは、高木の中では春先一番に花を咲かせる樹です。 他の樹木が長い冬を終えてやっと芽を出す頃に花を咲かせます。 北国の人々にとって“春”を待ちわびていた最初に花を咲かせてくれる樹です。 そして、10月には赤い実をつけます。 それは、薬用になり、果実酒もつくれます。 そして、この樹は比較的生長の遅い樹でそんなには大きくならないので、 剪定もあまりする必要はないようです。 北大植物園にあるサンシュユは8mくらいの大きさになっていますが、精進川公園、藻岩小学校、個人の庭で見る樹は、樹高3~4mです。

成長が比較的遅く、樹冠がこじんまりとまとまり、薬用・果実酒として利用できるとなると、個人の庭や小さな公園などにピッタシです。 もう少し街中にあってもよそうな樹ではないでしょうか? それにしても、あの赤い実のサンシュユの果実酒を一度つくってみたいものです。

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