冬囲い(その2)それぞれの冬囲い

冬囲いの目的は?というと、雪の重み(沈降圧)による枝折れを防ぐこと、樹木を寒さや風(寒乾風)から守ること、この2つです。 それに使用する資材は、焼丸太、晒竹、菰(こも)、縄、板などがあります。 街中を歩くと、立派なマツにわらぼっちの着いた雪吊りや、きれに刈り込まれた三角錐のオンコに晒竹で囲った竹囲いなど、多種多様な冬囲いを見ることが出来ます。
今ブログは、札幌中心部にある商業ビルとマンションの外構植栽に施されている冬囲いを撮ってきたものです。
それらは、郊外にある個人の小さな庭で見られる素人の冬囲いではなく、専門業者に作らせる、ある程度?、相当の?費用をかけているものです。 それは、皮肉を込めた言い方をすれば、装飾的で人に見られることを意識した、ビル所有者のある種“見栄のようなもの”を感じさせるもので、反対に好意的な言い方をすれば、自社ビルを含めて周囲の景観に配慮した冬場のアクセント、もっと別な見方をすると、ビル所有者の街中の景観を含めた外構植栽に対する考え方(思い入れ)の度合いを感じさせるものです。
1-016 冬囲い ムクゲ?2014.12.4
マンションの外構に植えられているムクゲとドウダンツツジ。
ドウダンツツジは、各株毎に縄でしばり、それを3~4本をまとめて雪で倒れないように地面に突き刺し円錐形にした根曲竹に縄で縛り付けています。
ムクゲの冬囲い。 これくらい大きくなれば晒竹は不要で、3ヵ所ほど縄をぐるっと株に回す縛り方で十分なような気もしますが、除雪の重くて硬い雪に押されて樹木の枝折れ等が心配なのでしょうか?  それに、専門の造園屋さんが作っているので、“それなりに作る必要性”、当然“見栄え”を気にする部分もあるのでしょうね。
1-014 冬囲い サツキ2014.12.4
これもマンショの外構。 竹棚の下にはサツキの植栽。
晒竹を格子状に組んで四隅と中央の何ケ所かに焼丸太支柱を打ち込んで竹組を支えている。 この竹棚はサツキでよく見るタイプ。
装飾的で見栄え重視の冬囲いだけあって美しく人目を引きます。  これを作成するのにどれくらいの費用がかかっているのでしょうかね。 支柱を打って、晒竹で格子を組みながら、それぞれの箇所を縄で結束して組み立てていくのですが、見た目を美しく仕上げようと思うとなかなか手間のかかる作業です。  結束箇所を数えてみると、13×28=364ヵ所。 専門屋が2~3人で半日?、それでは出来ないでしょう。一日はかかるのでしょうか? 少なく見積もっても10万円以上?
1-020 冬囲い サツキ2014.12.4
札幌中心部商業ビルの外構。 これもサツキの冬囲い。
作り方は、先ず最初に、背後に一定の間隔に焼丸太支柱を打ち込み、その間に晒竹を通します。 次に根曲竹を斜め格子で90°の円弧のトンネル状に覆います。 菱形の網目状の模様が美しく、結束部分の男結びがアクセントになって景観的にも優れています。
1-021 冬囲い サツキ2014.12.4
1-022 冬囲い サツキ2014.12.4
これも札幌中心部の商業ビル。 植込み材料はサツキ。 以前は菰(こも)を使った冬囲いを見かけましたが、最近は少なくなっているようです。 この菰で覆う冬囲いは寒乾風を防ぐのが目的なのでしょうが、冬囲いの“見てもらう”、“見て楽しむ”部分で面白みがないというか、美的要素が足りないようで、多くの人の目に触れる都心部の商業ビルの冬囲いとしてはいまいちです。 上述の根曲竹による斜め格子状冬囲いに比べると景観的には数段落ちます。  しかし、これらをつくる手間となると、後者(斜め格子状冬囲い)のほうがかかるのでしょうね
1-019 冬囲い ドウダンツツジ2014.12.4
ドウダンツツジの植込み。 花壇の高さは70~80cm。 簡易な冬囲い。 植込み位置が高いので、雪の重み(沈降圧)はそれほどでもないと思うのですが、それでも、枝折れ等樹形が崩れるのでしょうか?
1-017 冬囲い モンタナマツ2014.12.4
上に伸びないタイプののモンタナマツ。 簡易な冬囲い。 株高は20cm前後。 自然の積雪なら必要ないように思います。 しかし、この植栽位置は雪を押し付けられやすい場所になっているのでしょうかね。

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