十五島公園

昨年は藻岩山を定点から写真を撮って、四季折々に変化する樹木を観察しました。今年は、札幌市の中心部から約15km離れた、豊平川沿いの風景と樹木の変化を見ていこうと思っています。
1-RIMG0008(赤字)2013.5.26
写真中央に流れているのが豊平川です。右側に樹々がみえます。十五島公園の樹林です。この公園は、豊平川に沿って幅50~70m延長約600mの細長い公園です。夏場はこの河川敷でジンギスカンやバーべキューを楽しむことが出来ます。札幌に住んでいる方で子供の頃、炊事遠足や家族連れでここに来たことがある人は多いのではないでしょうか。
豊平川に沿って左右に延びる樹林は、ミズナラ、ハリギリ、イタヤカエデ、ハルニレ、オニグルミなどこの地を代表する樹木群が拡がっています。
正面向こうに見える山は、砥石山(827m)のようです。
1-RIMG0009(赤字)2013.3.26
豊平川下流側です。
この写真を見て、「札幌はまだ冬なんだ」と改めて思ってしまいました。
十五島公園の名前の由来
明治36年(1903)頃、この地に入植した藤原儀惣治の長男倉松は、自らを「十五島」と称し、人々も倉松を「十五島」と呼んでいた。この付近は岩盤地帯で、豊平川の川幅が狭くなっており、川の流れの中から大きな岩が沢山頭を出していた。それを伝わって対岸との間を往復したという。その岩数をごろよくそろえて「十五島」と称したものであろう。(「風雪百年」藤野地区開基百年記念誌より)
余談
「春よこい 早くこい 歩きはじめたみいちゃんが・・・・」という童謡があります。この歌を作詞したのは、新潟県糸魚川市出身の詩人相馬御風(そうま ぎょふう/1883-1950)です。彼が生まれ育った新潟県糸魚川は、日本海に面し、11月下旬から2月下旬までの約3ヶ月の冬の間は、シベリアから吹き付ける北風が厳しく、空はどんよりと低く立ちこめる雲にいつも覆われます。しかも、雪の日が多く、太陽を見ることが少ない日々が続きます。積雪も多いところでは4mに達するような多雪地帯です。幼い子供にとって厳寒期に外で遊ぶことなどはほとんどなく、薄暗い家の中で過すことが多かったのでしょう。しかし、2月下旬頃にもなると暖かい太陽にあたることも多くなり、こころも体も春を感じるようになります。この歌を作詞した相馬御風は、自分の故郷の2月中下旬頃を思い描きながら作ったのでしょう。
この春を待ち遠しく思う気持ちは、札幌に置き換えると、ちょうど3月上旬から中旬にあたるのでしょか?冬の間、道路や玄関前に降り積もった雪は厚い氷の層になります。そこに暖気が入ってくると、道路はいたるところで水浸しになります。それを避けるために、早く雪(氷)を溶かすために、そして、少しでも春が早くきてほしいために、人々は玄関前の雪割りに精を出します。この時期、住宅街を歩くと、このような光景をよく見かけます。これは、札幌の人々の春を待ちわびる気持ちのあらわれです。
(しかし、この光景は歌や絵にはなり難いようですが・・・・。)

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