十五島公園(その6):新緑

札幌の中心部から約15km離れたところを流れる豊平川です。 十五島公園河岸に生えている樹々です。
003 豊平川 十五島2014.5.10
いま、ちょうどヤナギ類が新芽から新緑へ、イタヤカエデが黄色い花を咲かせています。この一帯に多いミズナラは新芽が吹き始めています。ハリギリも大きな芽を白く輝かせながら吹くらませています。ハルニレは花も終り、その種子の緑色の翼果が新葉のように見えます。まだ新葉は出ていません。
向こう正面に見える山肌はまだ枯木の装いですが、5月下旬、もう少しすると鮮やかな春緑に変わっていきます。ようやく札幌の郊外にも春がやってきました。
006 豊平川 藤野2014.5.10
十五島公園から川下に沿って続く豊平川河川敷の自然林です。
この自然林は、夏場はササ(チシマザサ?クマイザサ?)が繁茂していてあまり近寄らないのですが、冬場から春先にかけて、健康維持のための散歩と冬芽の観察コースになっています。ヤナギ類、ハルニレ、カツラ、ヤチダモ、ケヤマハンノキ、オニグルミ、エゾヤマザクラ、サワシバ、イタヤカエデ、エゾニワトコ、ニセアカシア、ドロノキ、ヤマグワなど当たり前に札幌に見られる樹種が生えています。
冬場はほとんど変化を見せない樹木ですが、ヤナギ類の蕾(花芽)は年によって12月に膨らんでそこから白い綿毛を出します。このコースを散策するときには、目に付くのはヤナギというか、白いもの、ヤナギの綿毛を探してしまします。(5月の、こんないい季節に、冬の話をしてしましました。失礼しました。)

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十五島公園(その5):黄葉

今日は暖かかったですが、1週間ほど前から冷え込むようになってきています。我家は先週の金曜日から暖房器のスイッチを入れています。
021 十五島(赤字)2013.10.6
10月上旬の十五島(豊平川)付近。黄葉の気配は感じますが、本格的な黄葉にはもう少し時間が必要です。
022 十五島(赤字)2013.10.6
RIMG0001(赤字)2013.10.19
2週間後。ここ1週間の冷え込みで黄葉も進んでいます。茶褐色かかった黄色はイタヤカエデのようです。まだ緑色をの残しているのはミズナラです。おそらく。
RIMG0002(赤字)213.10.19
太陽に向って撮っているため、色が黒ずんでしまいました。
今から20年??くらい前は、自宅から見える山々は10月上旬には黄葉し始め、中旬に最盛期を向え、下旬~11月上旬には葉を落とし、山々は冬枯れになるというイメージを持っていたのですが、今年の十五島付近(豊平川)は10月下旬に最盛期を迎えるようです。ここ数年(7~8年)、10月の気温が高くなっている気がしていましたが、それと同じように、紅黄葉の最盛期も10月下旬にずれ込んで来ているようです。
以下は、札幌管区気象台の1970年~2013年(2013年は10月21日まで)の10年毎の10月の平均気温です。
1971年 ~ 1980年  10.8℃
1981年 ~ 1990年  11.1℃
1991年 ~ 2000年  12.0℃
2001年 ~ 2010年  12.4℃
2011年 ~ 2013年  12.9℃
現在の10月の気温は、1970年代に比べると2℃も高くなっているのですね。

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十五島公園(その4):ほんの少し秋の気配が

十五島公園横の豊平川です。水の流れはほとんどなく、真夏の様相と同じです。しかし、川沿いの樹木に秋の気配が。真夏の濃緑色から少し色あせた緑へ変わってきています。そろそろ落葉への準備、葉にある栄養分を少しづつ樹のほうへ移し始めているのでしょうか? それとも、移し始めるための準備にとりかかっているのでしょうか? あと1ヶ月余で、この辺りはハリギリ、イタヤカエデ、ミズナラなど黄色と褐色の世界に変わります。
RIMG0001(akaji )2013.9.12 上流側(定山渓側)
RIMG0002(アカジ)2013.9.12  下流側

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十五島公園(その3)

今年は札幌も7月上旬から蒸し暑い日が続いています。例年ならこの時期は少々暑くても湿度の少ない爽やかな気候なのですが、今年は違うようです。
しかし、2~3日前のテレビで、気象庁の長期予報によると、「8月はそんなに暑くはならないだろう」と予想しているそうです。そのように言われると、少々残念な気持ちになってしまします。人間って勝手な者です。涼しい夏より、やはり、夏は暑いほうがいいですよね。暑すぎるのも困ったものですが・・・・・。
1-010 十五島公園(赤字)2013.3.26
この時期に、雪景色の写真を載せるのは季節はずれなのですが、しかし、涼しげで思ったより違和感はありません。
この写真を載せたのは、雪景色ではなく、川の水嵩です。北海道の冬は最高気温が0℃以下の真冬日が多く、降った雪は解けないで積もっていきます。札幌の積雪が最も深くなるのは3月20日前後です。遠くに見える山々の雪が解け出すのは4月に入ってからです。それで冬の間は川の水嵩もぐんと低くなります。
1-R0010523(赤字)2013.6.7
近くに見える山々の雪は消えても、そのもっと奥にある、札幌岳や無意根山など1000mを越す山々には6月に入っても山肌には雪が残っています。豊平川(十五島公園)の流れは6月中下旬まで写真のように雪解け水で勢いよく流れています。
1-003 豊平川 十五島(赤字)2013.7.13
それが、7月を迎える前後になると、このようにぴったりと流れが止まってしまいます。今まで勢い良く流れていた水で隠れていた川底が見えるようになります。十五島公園近辺の河床はほとんど岩盤です。
1-002 豊平川 十五島(赤字)2013.7.13
1-013(赤字)2013.7.20
この頃になると、河原でバーべキュウやジンギスカンをする家族連れを多く見かけます。しかし、平成の初めの頃に比べると、ここで焼肉をする人は少なくなっているようです。
写真左側に大きな樹が見えます。ミズナラです。通常、河川の近辺にはヤナギ類が多いのですが、ここは、ミズナラ、イタヤカエデ、ハリギリ、ハルニレなどこの地域の山に生える樹を多く見かけます。河床が岩盤のため、川の流れ(流路)が変わらないので、その周辺の植生も安定しているようです。
1-016 十五島公園(赤字)2013.7.20
この写真の左側に豊平川が、右側に十五島公園があります。その間の幅は30m前後、河床と公園の高低差は6~7m程です。その斜面に生えている樹です。上述した樹々が多いです。特にミズナラが目立ちます。
<余談>
この付近から2kmほど上流に藻岩ダムがあります。このダムから豊平川の水を管に引込み、都心に近い藻岩山(中央区南35条)まで運んでいき、そこで発電を行っています。その発電用に使われた水は山鼻川に放水されています。そのため、小川のようにちょろちょろと流れている山鼻川がこの水をもらって、川幅は何倍も広くなり、勢いよく流れながら豊平川に合流しています。
本来なら、十五島付近の豊平川はもっと水が流れているはずなのですが、上記の理由で夏場の雨の降らない時期は、ほとんど水の流れがなくなるのです。

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十五島公園(その2)

3月27日で取り上げた十五島公園に接する豊平川は、川沿いから辺り一面、そして正面遠くに見える砥石山も含めて真っ白い雪に覆われていました。あれから1ヶ月半弱が経ち、周りからは雪はなくなりました。河川敷に生えているヤナギもやっと新芽が吹き始め、豊平川全体がうっすらと緑色を帯びてきました。札幌にもやっと「みどり」を感じる春がやってきました。
1-RIMG0012(赤字)2013.5.7 上流側
しかし、ここ十五島公園付近の河川敷にはヤナギはほとんど見られず、ミズナラ、ハルニレ、イタヤカエデ、ハリギリなどこの地域で最もよく見られる樹木が多くを占めます。これらの樹木はヤナギより芽出しが遅く、この近辺がうっすらと緑色を帯びるにはもう少し時間が必要なようです。
1-RIMG0010(赤字)2013.5.7 下流側
十五島公園近辺の河原にヤナギ類などの河川流域によく見られる樹種が少ないのは、河床も含めてこの辺りが硬い石(岩盤)で出来ていることのようです。洪水のときでも河床がしっかりしているため、樹木が水に流されることがなく、安定した植生が保たれてきたようです。
この時期、この付近の豊平川は、上流にあるダムからの放流のため川の流れが速く、水嵩の少ないところはで写真で見られるように白く泡立っています。これが夏場になると河川の水位もぐんと下がり、あちこちに川面から小岩が顔を出します。十五島という名前が付けれた所以です。
その時期は、遠くの山々から雪が消え、ダムの放流が終わる6月中下旬になってからです。

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