1億年前から咲いている花


追記:10月7日
ホオノキの花は、5月下旬に咲き始め、サクラやモクレンのように一斉に鮮やかに咲くのではなく、電飾を節約したクリスマスツリーのように、こちらにぽつんあちらにぽつんという咲き方を約1ヶ月間続けます。
1-021 ホオノキ2012.7.21
そして、7月下旬になると立派な実ができあがります。長楕円形で長さ12~15cm程あります。
1-015 ホオノキ2012.10.7
いつの頃からか(8月下旬?9月に入ると?)、果実は着色し始め、赤みを増していきます。そして、果実(袋果)が乾燥してくると、それが裂けて中から朱色の種子が顔を出します。
1-016 ホオノキ2012.10.7
ホオノキの写真を撮るために知事公館に行ってきました。樹に近づくとガサガサと音がして、カラスが2~3羽樹から飛び出すのです。その次は、頭上から大きなホオノキの葉の付いた実がドスンと落ちてくるのです。おいしいのでしょう、カラスがホオノキを実を食べているようです。樹冠下にはいくつもの実が落ちています。
1-017 ホオノキ2012.10.7
これは、その時の写真です。袋果が裂けて赤い実が出てくる時期になると、小鳥達にも啄ばむこともできるのでしょうが、こんな食べ方をされると、他の鳥にとって本当にいい迷惑でしょうね。
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6月25日のブログ
これは、ホオノキが5月中旬にちょうど展葉したときの写真です。
褐色の葉状に見えるのは、芽を守るための芽鱗です。
029 ホオノキ2012.5.19
ホオノキは、幅が20cm長さが50cmにもなるような大きな葉を枝先に車輪状につけます。
082 ホオノキ2012.6.3
そして、葉が展葉して2週間余で、その上に白いこれまた大きな花を咲かせます。
044 ホオノキ2012.6.23
開花しました。
045 ホオノキ2012.6.19
ホオノキは、1億年前から生き延びてきた広葉樹としては古いタイプの樹だそうです。
広葉樹は、針葉樹から進化したグループで、1億年前の白亜紀の中頃(地球に隕石が衝突して恐竜を初め多くの生物が絶滅したのは6,500万年前)までは、針葉樹が栄えていましたが、1億年前を境に広葉樹が優勢な時代変わって、現在に至っています。ホオノキは広葉樹ですが、その花の構造は1億年前に現れた広葉樹の一面を残しているといわれています。
以前に、キタコブシのがくが花弁化する話をしましたが、ホオノキはがくと花弁が未分化で、ほとんど花弁のように見えます。写真では、外側の3枚が少し反り返っていて、がく状に見えます(がくと花弁が未分化のもの:花被片)。これは、1億年前の花の形態を残している一つの証拠なのでしょうね。
植物は受粉を促すために、花から蜜を出して昆虫を引き付けます、しかし、ホオノキの花は蜜を出しません。その代わり、良い香りを放って昆虫を引き付けようとするのだそうです。その香りをかぎたくて、樹上の花に近づくのですが、いまだその香りをかぐことはできません。どんな香りがするのでしょうか?
018 ホオノキ 知事公館 D=60~70cm H=10m強2012.6.24
このホオノキは、知事公館で撮ったものです。大きさは、樹高10~13m、樹幅もそれぐらいあり、目通幹径は70cm弱です。、独立樹でこの質感のある樹はなかなか見当たりません。
020 ホオノキ
この写真では、花は見ることはできませんが、前回6月上旬に来たときは、樹冠のあちこちに花を咲かせていました、今回もまだ、3個咲いていました。ホオノキの花は、サクラのように一斉に咲くのではなく、あちらこちらと樹冠に万遍なく、悪く言えば、だらだらと見栄えのしない咲き方をします。こちらの花は完全に咲き終わり、花弁は褐色になっているのに、その隣には、これから咲こうとするつぼみがあるような咲き方をします(1個の花の開花期間は1週間は持たなくて数日で、その花があちこちで約1ヶ月続く)。なぜ、このような咲き方をするのでしょうか?これも太古の花のこん跡なのでしょうか?

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