ドロノキ  うどんこ病

2020.9.22
中央の白っぽい大きな樹はドロノキ。 白っぽく見えるのは、葉にうどんこ病がついているためです。 お盆を過ぎたころ、8月中旬過ぎからドロノキの樹冠が白っぽくなっているのをときおり見かけます。 2020.9.22
葉の全面若しくは部分的に斑模様となって白い粉をまぶしたようにうどんこ病が蔓延しています。

週2~3回、緑の相談(園芸相談)をしているのですが、8月を過ぎたころから、
「キュウリやカボチャなどの野菜の葉が白くなっているが、これは病気か?」
また、8月下旬になると、
「ボタンやシャクヤクの葉が真っ白になってしまったが、これは病気か?」
という相談を受けます。
「それはうどんこ病です。 うどんこ病が拡がる温度(生育適温)は20℃くらいなので、真夏は暑くて活動は弱くなるのですが、6月中旬~真夏前までとお盆前後から発生しやすくなります。 カビの病気は発生するとなかなか抑えにくいので、予防的に殺菌剤で予防効果の高いダコニールなどを6月中旬から定期的にかけるのがいいのではないか。 そして、うどんこ病の緊密度を下げるために、落葉期にうどんこ病がついた葉を捨てる、ごみで出すのがよろしいです」と答えているのですが、うどんこ病を完全に抑えることは難しです。

このうどんこ病は、葉の気孔から胞子が侵入して菌糸を伸ばして宿主の栄養をちょうだいするのですが、ナスによく発生する半身萎凋病や樹木の胴枯病のように宿主を殺す(枯らす)ようなことはないのです。 ちょっと?相当?やっかいな居候のようなものです。

上述のドロノキも葉は真っ白になっていますが、来年、新芽が出ないことはなく、例年通り6月になれば樹冠全体が新緑につつまれます。 しかし、今年うどん病菌がついた葉は落葉しますが、その葉についた菌は越冬し、来年春5月中下旬以降(樹木の新芽が出る頃、地面で越冬していた卵が孵化する時期、害虫の蛹が羽化する時期)からウドンコ病の胞子が飛び出して空気中をさまよい、新しい宿主を見つけるのです。

ドロノキは北海道に自生する樹木で、札幌市内では至る所で目にすることのできます。 しかし、うどんこ病のつくドロノキは決まっているようで、
「また、このドロノキにうどんこ病がついている」と思いながらその樹を見上げています。 遺伝的にうどんこ病に罹りやすい系統があるように思えるのです。 それでも、その系統が樹木間の中でいままで生きながらえているのは、このうどんこ病がこのドロノキの生存競争を脅かすほどの影響を与えていない、うどんこ病に罹ってもその樹の成長に致命的なダメージを与えていない、と推測しているのです。

 

 

 

 

 

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