樹皮・樹肌の履歴  イヌエンジュ

2015.10.27
写真の樹幹にへんてこりんな傷?が見えます。 どこかで見たような、なにかに似ている、だれかに似ている、と思いませんか?
そうです。 あのスピルバーグ監督の映画、ETに出てくる宇宙人の顔です。

これは街路樹のイヌエンジュです。 地下鉄南北線と平行して走る平岸通、澄川駅の近辺で見つけました。
この模様がついている位置は地際から約1.2~1.3mの高さのところです。
それにしても、どうしてこのような模様ができたのでしょうか?

街路樹を植えるときには、風などで樹がぐらつかないように支柱(二脚鳥居支柱)を立てて、街路樹の幹に傷がつかないように杉皮を巻き、そこにしゅろ縄でがっちりと固定します。
2017.11.5
本来、街路樹を植えて根が活着して落ち着けば、その時点で支柱を取り外すのですが、それが遅れて、このような模様ができたようです。

樹木は、樹肌に何か障害物にぶつかる(接触する)と、その圧力点を感知して、その部分がホルモンの作用により膨らむというか、余計な木部を生成します。
たとえば →  ガードレールを丸呑みするヤナギ
のように、ガードレールに接触した部分が膨らみ、最後に飲み込んでしまっています。

今回のETは、街路樹の支柱の横木に接触してこのような模様でできたようです。 それでは何故目玉のような膨らみが2ヵ所とその下に唇のようなものができたのでしょうか?

本来なら、支柱に長い期間接触していると、樹幹の模様は支柱の横棒の上下に膨らみができるように思いますが、実際は下の写真のように様々な形状(パターン)があるようです。

それは、樹木の太さ、支柱の種類、取り外される時期(どれくらいの期間、支柱の横木と接触していたか)、風の向きや強さ(市街地はビルなどにより風の向き・強さが一様ではないため、樹肌に加わる圧力が違ってくる)などの条件が異なることによって、違った模様(傷)ができるのでしょうね。

それにしても、ETの顔の目玉のような膨らみがどうしてできるのか?は、自分なりの答えが見出せないというか、不思議です。

 

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