樹皮・樹肌の履歴 プラタナス(その2)

2012.9.17
写真は街路樹のプラタナスです。 幹径は70cm前後でしょうか。 おそらく、昭和40~50年代前半に植えられたもので、樹齢は60年前後と思います。 街路樹としては大径木になります。  注目してほしいのはプラタナスの根元の膨らみです。 歩道の縁石を覆うように拡がっています。
2012.9.17
これは上の写真の右側の1本。 根元の幹が膨らんで歩道の縁石に被さってきています。
2012.9.17
これは、上の写真の左側のもう1本。
こちらは、根元の幹が縁石を越えて車道のアスファルトまで達しています。

樹木は、樹肌に何か障害物にぶつかる(接触する)と、その圧力点を感知して、その部分がホルモンの作用により膨らむというか、余計な木部を生成します。
11月27日のブログで、街路樹の主幹に支柱との接触でETに出てくる宇宙人の顔を紹介しましたが、今回はプラタナスの幹が道路の縁石にぶつかった場合のケースです。 このまま放っておくと、つきたてのお餅のように、歩道と車道にべったりと拡がっていくのでしょうね。

<余談>
最近は、札幌も含めて大きな都市では、大きくなった街路樹が問題化しています。
地先の住民から「落ち葉の処理が大変だ。 日陰になる。」という苦情はまだましな方で、台風時の強風で太枝が折れたり、根元から倒れる根返りなどで近接の建物に被害を与えたり、最悪の場合、通行中の車や信号待ちの車に倒れたりすることによって人身事故を起す場合もあります。
その点、このプラタナスは強風による倒木の心配は少ないようですが、この見た目の悪さを何とかしようにも、何ともしようがなさそうです。 この街で何十年も生きてきた樹を見た目の悪さだけでバッサリと切断するのは、説得力のある理由にはならないので、なかなかできないものです。 これら大きくなりすぎた街路樹の取り扱いはなかなか難しい問題です。

 

 

 

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