樹皮・樹肌の履歴(その2) イロハモミジ

イロハモミジ 2015.0.7
山鼻小学校と行啓通の間に列植されているイロハモミジです。20本前後ありますが、その内の一番東側にある1本です。 大きさは、樹高8.0m、葉張12.0m × 10.0m、直径約61cm(幹周1.91m)です。 大正4年(1915年)に苗木を植えているそうで、樹齢は100年ちょっとです。

イロハモミジ 2015.10.7
写真、主幹中央に長さ約60cmのクラック状の筋が縦に走っています。 どうしてこれができたのか? 普段、樹木を見ても、それにクラックがあろうが傷があろうが、それがどうしてできたのか?なんて、そんなことは考えたこともありませんよね。 考える必要もないのですが・・・・。 しかし、そのクラック(傷)には、それができるそれなりの理由や経緯があるのです。

イロハモミジ イロハモミジ 2015.10.7
写真中央、 クラック上部に赤丸で囲んだ内側に見づらいですが、薄く横長の楕円形のようなものが浮かんで見えます。 これは、相当以前、何らかの理由で太い枝が折れたか、切断された名残です。
樹は、太枝が切断されると、その下の部分は水や養分を上げる必要がなくなるためやがて枯死します。 表面は樹皮で覆われているため生きているか死んでいるか分からないのですが、内部の木部(根から水や養分を上げる部分)や師部(葉でできたデンプンを幹や根に降ろす部分)は枯死してしまいます。 そうすると、その部分の樹皮は成長が止まります。 一方、周りの樹皮(生きている部分)は成長して年輪を積重ねていき太っていきます。それが進みにつれて死んで入る部分は成長できないので凹んできます。 さらに年月が経つと周りの樹皮が覆いかぶさってきて、最後に巻込み状のクラックとなるのです。 このクラック状の筋になるには、おそらく、30年 それ以上の40年はかかっているのではないでしょうか?

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