カタクリの花

4月22日に、札幌管区気象台がサクラの開花を発表しました。 平年(5月3日)より11日早い開花だそうです。 ちなみに、札幌で最も早くサクラが開花したのは、平成20年(2008年)の4月21日で、今年は観測開始以来2番目に早い記録だそうです。 確かに、今年の2月、3月は平年に比べて暖かかったです。 気象庁の長期予報では4月5月は寒くなると言っていましたが、4月については外れたようで、このことが幸いして?例年にない早い開花になったようです。
札幌の花見はゴールデンウィーク中が普通?多いのですが、今年はそのころは葉桜になっているようです。

サクラと同じ頃に咲くのがカタクリです。
カタクリ
2015.4.22
豊平公園の野草園の一角にあります。面積は100~200㎡くらいでしょうか。 蜜に植えられていて、見栄えのするカタクリ花壇になっています。 写真左側にある大木はニセアカシア。
カタクリ
2015.4.22
写真手前の淡青色をした花はエゾエンゴサク。
カタクリ
2015.4.22
Erythronium.yaponicum(エリトロニウム ヤポニクム : ユリ科カタクリ属)
カタクリの花はシクラメンのそれとそっくりです。 カタクリの反り返った花弁から垂れ下がっている葯(長い雄しべ)がなければ、原種シクラメンと間違います。
カタクリ
2015.4.22
葉身が10cm前後、葉幅が5cm前後で、紫褐色の斑紋が目に付きます。

<余談>
片栗粉は、日本の北東部の原野(げんや)に自生(じせい)するユリ科のカタクリの根茎(こんけい)からとれる澱粉であるため片栗粉とよばれています。現在はカタクリの自生が減少(げんしょう)したため、性質(せいしつ)の似(に)ている馬鈴しょ澱粉を総称(そうしょう)して片栗粉とよばれています。(農林水産省のHPより)

現在、私達が普段スーパーで買ってくる片栗粉はジャガイモから精製されるデンプンですが、昔は、カタクリから片栗粉をつくっていました。

カタクリの鱗茎は細長くて小さいもので、しかも、カタクリは種をまいてから花が咲くまで7~8年かかるとと言われています。
さらに、カタクリの球根は地上部の葉や花から想像できないくらい深いところにあります。今から30年以上前の話になりますが、カタクリの鱗茎を掘ろうしたら、先輩から
「そんな小さな園芸用のスコップでは全然とどかないよ。 剣先スコップで掘らないと」
と言われたことがあります。 確かにそのとおりで、鱗茎を傷めないで掘り起こすのに一苦労した経験があります。 カタクリの鱗茎は古いものの下に新しいものができるので、毎年、鱗茎の位置が深くなっていくのだそうです。

話が逸れてしまいました。 元に戻します。
バレイショが日本に入ってきたのは江戸時代初期と言われています。 現在、私たちがカレーやポテトチップスで食べる “男爵” や “メークイン” などのジャガイモは、明治時代にアメリカから入ってきたもので、日本人が普通にジャガイモを食べるようになたのは、つい最近というと語弊がありますが、100年ちょっとし経っていません。
現在では、容易に片栗粉を手に入れることができるので、片栗粉を元にしたいろんなお菓子を食べることができます。 しかし、昔の人々にとっては、上述したような理由(①鱗茎が小さい、②栽培(成長するのに)時間がかかる、③地下深くにあるので作業性が悪い)で、片栗粉は、なかなかの貴重品でなかったのではないでしょうか?  お土産でいただく “わらび餅”などは、大変貴重な、めったに口にすることができない、江戸時代なら、武士階級、それも禄をたくさんもらっている上級武士でないと口にすることができなかったお菓子ではないでしょうか。
そして、もう一つ、バレイショからつくられる片栗粉とカタクリの片栗粉では、それからできるお菓子で味や食感にどれくらいの差があるのでしょうかね。 一度、本物の片栗粉からできたお菓子を食べたいものです。

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