カツラ 開花

カツラ 円山公園 坂下グランド  ストローブマツ 2016.4.21
カツラの花が満開です。 山肌を薄ぼんやりと赤く染めているのがカツラの花です。 円山公園坂下グランド(野球場)から撮っています。
中央の常緑樹はストローブマツ。

カツラ 2015.4.14
国道230号(石山通)、南16条札幌トヨペット屋上駐車場裏から伸びるカツラ

ちょうどこの時期、南35条辺りから国道230号を北上し、南29条の信号を左に曲がって福住桑園通り沿いの藻岩山の山肌を見ると、ほんのりと赤く染まった部分がところどころに見つけることができます。 カツラの花が咲いているところです。 その道路をさらに北上して南21条で環状通に入り、南9条辺りまで進むと円山が近くに見えてきます。 この辺りからほんのりと樹幹を赤く染めるカツラの樹が多くなります。 そして、南1条で左に曲がり円山公園にある坂下グランド(野球場)から見る山肌にはほんのりと赤く染まっています。 藻岩山から円山にかけて北東から北斜面の山肌には、カツラが数多く生育し群落を形成しています。

森林の中で、落葉広葉樹(高木)の群がり(生え方)は、シラカバやブナのように大きな群生をつくるもの、ハルニレやミズナラ、コナラなど中くらいの群生から点生(飛び飛びに生える)するもの、そして、多くの樹種が属する小さな群生~点生するものに分けられ、カツラは最後の小群生から点生する部類に入るのだそうです。

カツラは、本州の方では他の樹種に比べると密度の低い、森林ではそんなに出会わない樹のようで、“イタヤヤカデはなぜ自ら幹を枯らすのか(渡辺一夫著)” という書物の中で、
「カツラは渓谷に点在するあまり目立たない落葉樹である。 大きな群落をつくらず、渓谷の谷底などに点在する。 ・・・・・森の中を歩いていても、カツラを見かけることはあまり多くない。・・・・・・ 」、
また、“樹に咲く花”では、
「生育地は山地の谷沿い。 渓畔林の重要な樹種のひとつ。個体数はそれほど多くなく、点々と離れて生えていることが多い。また、樹林内で実生や稚樹、小径木を見かけることもあまりない。これらのことから、カツラはまれに生じる大規模な崩壊や土石流のときに更新し、いったん定着すると萌芽によって長期間固体を維持し続けると考えられている。」と書かれています。

さらに、カツラは1科1属で、自生地も中国と日本のみで生育地は限られています。 札幌では平成の初め頃から公園や街路樹でカツラが植えられるようになり、カツラの花を見ることができるかもしれませんが、奥深い山に入ることもなく都心部に近い市街地から、山肌全体がカツラのほんのりと赤い花で染まられる場所は、世界中を探してもここしかないのではないでしょうか?

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