春先の耕起と堆肥

先日、ブドウ柵を作って、ネットで購入した苗木を植え付けました。 その後雨の日が2日程続いて畑起こしが出来なかったのですが、4月20日に畑が少し乾いてきたので(土壌の水分が抜けてきた)畑起こしをしました。
今年は昨年と同様に雪解けが早く 、4月上旬にはほとんど雪は無くなりました。 4月10日過ぎには畑起こしができるくらい土は乾いていたのですが、「畑を起こすのは4月20日頃から」という気持ちがあって、例年より早くできるのに、やはり、例年通りになってしまいました。
2021.4.22
土の黒い部分が剣先スコップで起こしたところ。

剣先スコップのへらの肩?背?の部分に足をかけ、ぐぅっと力を入れて土に押し込みます。 剣先は土に30~40cm刺さり込み、そのヘラの部分を回して下の土を表面に出すようにひっくり返します。 この単純作業の繰り返しなのですが、この歳になるとこれを10分も続けると腰が痛くなり一休みが必要になります。 そんな作業を続けて1時間はとても無理で、40~50分?やってその日の作業は終わり、1週間程で1回目の畑起こしは終了します。 この後5月中下旬のタネをまくとき及び野菜苗を植え付ける前にもう一度畑起こしをしてから、植床を作ります。

<’堆肥について>
野菜作りでは、畑の地力維持のために、通常、秋に堆肥を入れて畑を起こすか(こちらがベター)、翌春、タネをまく又は苗を植え付ける約1ヵ月前に堆肥2kg/㎡ほどを入れて畑を起こすとが推奨されています。
堆肥を毎年平米当たり2Kg入れる必要があるということは、毎年それだけの有機物が土壌から失われていることを意味します。 このことの意味合いは、畑土は軟らかさを失い、肥料持ちの悪い、堅い土壌になって(団粒構造が無くなった土壌、有機物が団粒構造の土を作っている)、野菜の育ちがそれほど良くない、病気に罹りやすい土壌=やせた土地になっていくのです。

しかし、堆肥を入れなければ直ぐにやせた土地になるというとそうではなく、それは10年とか20年という長い時間をかけて起こってくる現象です。 私も30年以上家庭菜園をやっていますが、やり始めの頃は野菜を植えるときに化成肥料を与えるだけで堆肥は入れていませんでした。 他の人が作っている野菜のことはわかりませんが、それでも一応それなりにトマトもキュウリダイコンもできたのです。

ところが、6~8年前?頃から、ダイコンとハクサイに病気がつくようになりました。 症状は、ダイコンを輪切りにすると、切った断面の外側(維管束の部分)が円周状に黒くなるバーティシリウム黒点病が、ハクサイは収穫前に外葉が萎れて白くなる黄化病と思われる症状が発生しました。
ハクサイが黄化病とするとダイコンもハクサイも名前と症状は違っても同じバーティシリウム菌が原因なのです。  この菌は土壌菌で我家の畑はバーティシリウム菌の密度の濃い畑になってしまったようです。

この病気を防ぐ方法は土壌消毒しかないのですが、これをすると土壌中の良い菌も悪い菌もすべて殺してしまうので、土にとって必ずしも良いことばかりではないと思えることと、農業で生計を立てている訳でもない家庭菜園なので、そこまでやる必要があるか?という思いもあって、土壌消毒という選択肢は無かったのです。

それじゃどうするか?と考えると、堆肥(有機物)を入れてそれを分解する微生物を増やし、土壌中の菌の種類と密度を高めて、すでに存在するバーティシリウム菌の割合を下げ菌類同士を競争させて、ダイコンやハクサイにその病気が出ないようにすること、小面積で多種類の野菜を植える家庭菜園では、それが最良で、且つそれ以外に方法はないように思うのです。

しかし、堆肥を毎年2kg/㎡入れ続けていくことは、意識をもってやろうと思わないとなかなかできないことです。 我家の畑は約60㎡程あるのですが、ここに2kg/㎡いれるには、60㎡ ✕ 2kg/㎡ = 120kg 必要となります。 堆肥にも腐葉土、牛ふん、馬ふん、バークなどいろんな種類があるので、とりあえず、身近な園芸店で入手しやすい、札幌市内にあるホーマックの牛ふん堆肥で、我家の畑には どれくらいの量が必要で、価格はどれくらいになるかを計算してみます。

ホーマックで売っている牛ふん堆肥は、
40L(492円/袋)と20L(437円/袋)があって、安い方の40Lで計算すると
40L×0.5=20Kg/袋(牛ふんの比重を0.5とした)
120kg ÷ 20kg = 6袋
6袋 × 492円 = 2952円

我家の家庭菜園60㎡の畑に、牛ふん堆肥を40L入り袋で6袋、価格で約3,000円となります。 これを安いと思うか高いと思うかはそれそれの判断によるのですが、我家では堆肥を購入していません。 その年作った野菜のスウィートコーンやエダマメなどの残渣(トマト、キュウリ、ナスなど果菜類、病気の出たダイコン、ハクサイの葉など除いて)、近くの公園の落葉堆積場からもらってきた落葉、毎年リンゴやナシなどの剪定枝を細かく切ったものをそのまま畑にすき込んでいます。 これらを全て足しても2Kg/㎡には達していないと思っています。 それでも毎年、落葉や小さな木片を畑にすき込んでいます。 ハクサイとダイコンに病気は出たものの、キュウリやトマト、エダマメなど主要な野菜には出ていないので、とりあえずこれで良しとしています。
しかし、通常、堆肥は完熟したものを畑に入れるもので、生の植物や動物のふんを入れると様々な問題が起きるので、基本的にやってはいけない行為です。 なので、この件については改めて取り上げたいと思います。

 

 

 

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