畑起こし 令和4年(2022)

今年も家庭菜園が始まりました。
今冬は雪が異常に多くて、我家の庭には4月10日過ぎまで?その後も?雪が残っていました。例年は4月20日前後から畑起こしをするのですが、今年は地面の乾きが遅くなるだろうと思って、少し遅めの4月25日頃から始めようと考えていたのです。しかし、バレイショを5月初めに植えるので、やはり、例年と同じ4月21日から畑起こしを始めました。その理由は、毎年、60㎡程の畑を4月20日から4月末までの10日間で終えるのですが、この歳になると、1日に10㎡程しかしないので、出来ないので、どうしても、1回目の畑起こしが終わるのが4月末になってしまうのです。
土は乾いていて、剣先スコップでの掘り起こしは思っていたよりも程度は良かったです。今春初めての掘り起こしは30分足らずで止めました。やはり土は重いです。剣先スコップで掘り起こしているとコガネムシの幼虫が出てきます。しゃがんでその幼虫を取り除こうと土に触れると、ほのかに土の香りがしてきます。札幌にもやっと暖かい春がやってきました。

2022.4.23

畑起しの時期になると、
「畑に堆肥を入れないとどうなるのか? 土がやせるとは?」
など土に関することが頭に浮かんできます。

野菜をつくるとき、堆肥(有機物)を入れないで、化成肥料だけを与え続けていると土がやせる、作物が穫れなくなる と言われています。
北海道は畑に毎年2㎏/㎡の堆肥を入れることをと推奨?しています。そうすると、畑の地力が維持できるのです。 自分でも数年に一度秋に落葉を入れたり、毎年、果樹の剪定枝を細かく切り刻んで入れたりはしていますが、2㎏/㎡の堆肥(有機物)は入れてないように思うのです。 ナスは半身萎凋病が出るのでダメなのですが、それでも、トマト、キュウリ等他の作物はそれなりに収穫できています。 キュウリは毎年5本植えて、120〜200本収穫しています。 昨年は、6月中旬〜8月上旬までほとんど雨が降らなかったのでベト病などの病気が発生しなかったのです。 そうしたら300本(60本/株)も収穫できました(そのかわり、潅水はしっかりとやりました 葉にかけるのではなく、畝間に水を時間をかけてじっくり染み込ませて)。
ということは、畑に堆肥を入れなくなったから急に作物が撮れなくなるのではなく、家庭菜園では、平米に何キロ入れたということよりも、毎年堆肥を少しづつでも入れようと思う気持ちが大事だと思っています。

有機物(樹木や草花、昆虫や動物の体など)を生産できるのは葉緑素を持っている植物だけです。人類も最近では人工光合成により有機物を合成して、近い将来には人工有機物が工場で生産される日が来るようですが、それは別の話として、植物は水と二酸化炭素と太陽のエネルギーでデンプン(有機物)を作っています。それを我々人間も含めた動物が食べて生きているのです。植物が生産したデンプンなどの有機物を消費するのは動物だけではありません。カビの仲間の菌類も、有機物を消費するのです。

消費者である人間を含めた動物は、口から食物(有機物)を入れて胃や腸で分解し、その分解された食物は小腸で血管から吸収されて血液で各細胞に運ばれます。そして、腸で吸収されなかった残りかすは肛門から排出されます。
一方、地球上のもう一つの消費者であるカビなどの菌類は、土中に細い細い菌糸を伸ばして、その先から植物の細胞壁を壊す物質を出して細胞内に入り、必要な栄養を吸収して自分の体をつくっています。
そして、菌類が食べ残したかす、動物で言えばうんこなどの排泄物が、土なのです。土は菌類が食べ残した残骸なのです。その残骸が植物の根を生長させるのに絶好の環境、つまり※団粒構造をつくっているのです。 それは、適度な通気性と排水性を持ち、かつ保水性と保肥力がある、と言われています。
菌類は有機物を分解して自分たちの体を維持するためのエネルギーをつくり、最終的には、有機物は水と二酸化炭素に分解され、リン酸やカリ、マグネシュウムなどの無機物だけが残るのです。 極端な言い方をすれば、菌類によって有機物が食いつくされた畑には石のような鉱物以外何も残らなくなるのです。
「土がやせる」ということは、多種多様な菌類が生息してた畑に菌類のエサがなくなったことを意味し、言い換えれば、「有機物のない、菌類の生息できない土、植物の根に理想的な環境を与えてくれる団粒構造がなくなってしまう土」ということになります。

※団粒構造
個々の土壌粒子が集合して団粒をつくっているもの。 団粒構造は土壌粒子がばらばらに存在している単粒構造にくらべ,大小さまざまの孔隙(こうげき)に富み,通気・通水性,保水性にすぐれ,土壌生物の活動も盛んで,植物生育も良好である。
(コトバンクより)

団粒構造 タキイネットショップより
https://shop.takii.co.jp/simages/shop/selection/soil_1006_02.html

 

春先の耕起と堆肥

先日、ブドウ柵を作って、ネットで購入した苗木を植え付けました。 その後雨の日が2日程続いて畑起こしが出来なかったのですが、4月20日に畑が少し乾いてきたので(土壌の水分が抜けてきた)畑起こしをしました。
今年は昨年と同様に雪解けが早く 、4月上旬にはほとんど雪は無くなりました。 4月10日過ぎには畑起こしができるくらい土は乾いていたのですが、「畑を起こすのは4月20日頃から」という気持ちがあって、例年より早くできるのに、やはり、例年通りになってしまいました。
2021.4.22
土の黒い部分が剣先スコップで起こしたところ。

剣先スコップのへらの肩?背?の部分に足をかけ、ぐぅっと力を入れて土に押し込みます。 剣先は土に30~40cm刺さり込み、そのヘラの部分を回して下の土を表面に出すようにひっくり返します。 この単純作業の繰り返しなのですが、この歳になるとこれを10分も続けると腰が痛くなり一休みが必要になります。 そんな作業を続けて1時間はとても無理で、40~50分?やってその日の作業は終わり、1週間程で1回目の畑起こしは終了します。 この後5月中下旬のタネをまくとき及び野菜苗を植え付ける前にもう一度畑起こしをしてから、植床を作ります。

<’堆肥について>
野菜作りでは、畑の地力維持のために、通常、秋に堆肥を入れて畑を起こすか(こちらがベター)、翌春、タネをまく又は苗を植え付ける約1ヵ月前に堆肥2kg/㎡ほどを入れて畑を起こすとが推奨されています。
堆肥を毎年平米当たり2Kg入れる必要があるということは、毎年それだけの有機物が土壌から失われていることを意味します。 このことの意味合いは、畑土は軟らかさを失い、肥料持ちの悪い、堅い土壌になって(団粒構造が無くなった土壌、有機物が団粒構造の土を作っている)、野菜の育ちがそれほど良くない、病気に罹りやすい土壌=やせた土地になっていくのです。

しかし、堆肥を入れなければ直ぐにやせた土地になるというとそうではなく、それは10年とか20年という長い時間をかけて起こってくる現象です。 私も30年以上家庭菜園をやっていますが、やり始めの頃は野菜を植えるときに化成肥料を与えるだけで堆肥は入れていませんでした。 他の人が作っている野菜のことはわかりませんが、それでも一応それなりにトマトもキュウリダイコンもできたのです。

ところが、6~8年前?頃から、ダイコンとハクサイに病気がつくようになりました。 症状は、ダイコンを輪切りにすると、切った断面の外側(維管束の部分)が円周状に黒くなるバーティシリウム黒点病が、ハクサイは収穫前に外葉が萎れて白くなる黄化病と思われる症状が発生しました。
ハクサイが黄化病とするとダイコンもハクサイも名前と症状は違っても同じバーティシリウム菌が原因なのです。  この菌は土壌菌で我家の畑はバーティシリウム菌の密度の濃い畑になってしまったようです。

この病気を防ぐ方法は土壌消毒しかないのですが、これをすると土壌中の良い菌も悪い菌もすべて殺してしまうので、土にとって必ずしも良いことばかりではないと思えることと、農業で生計を立てている訳でもない家庭菜園なので、そこまでやる必要があるか?という思いもあって、土壌消毒という選択肢は無かったのです。

それじゃどうするか?と考えると、堆肥(有機物)を入れてそれを分解する微生物を増やし、土壌中の菌の種類と密度を高めて、すでに存在するバーティシリウム菌の割合を下げ菌類同士を競争させて、ダイコンやハクサイにその病気が出ないようにすること、小面積で多種類の野菜を植える家庭菜園では、それが最良で、且つそれ以外に方法はないように思うのです。

しかし、堆肥を毎年2kg/㎡入れ続けていくことは、意識をもってやろうと思わないとなかなかできないことです。 我家の畑は約60㎡程あるのですが、ここに2kg/㎡いれるには、60㎡ ✕ 2kg/㎡ = 120kg 必要となります。 堆肥にも腐葉土、牛ふん、馬ふん、バークなどいろんな種類があるので、とりあえず、身近な園芸店で入手しやすい、札幌市内にあるホーマックの牛ふん堆肥で、我家の畑には どれくらいの量が必要で、価格はどれくらいになるかを計算してみます。

ホーマックで売っている牛ふん堆肥は、
40L(492円/袋)と20L(437円/袋)があって、安い方の40Lで計算すると
40L×0.5=20Kg/袋(牛ふんの比重を0.5とした)
120kg ÷ 20kg = 6袋
6袋 × 492円 = 2952円

我家の家庭菜園60㎡の畑に、牛ふん堆肥を40L入り袋で6袋、価格で約3,000円となります。 これを安いと思うか高いと思うかはそれそれの判断によるのですが、我家では堆肥を購入していません。 その年作った野菜のスウィートコーンやエダマメなどの残渣(トマト、キュウリ、ナスなど果菜類、病気の出たダイコン、ハクサイの葉など除いて)、近くの公園の落葉堆積場からもらってきた落葉、毎年リンゴやナシなどの剪定枝を細かく切ったものをそのまま畑にすき込んでいます。 これらを全て足しても2Kg/㎡には達していないと思っています。 それでも毎年、落葉や小さな木片を畑にすき込んでいます。 ハクサイとダイコンに病気は出たものの、キュウリやトマト、エダマメなど主要な野菜には出ていないので、とりあえずこれで良しとしています。
しかし、通常、堆肥は完熟したものを畑に入れるもので、生の植物や動物のふんを入れると様々な問題が起きるので、基本的にやってはいけない行為です。 なので、この件については改めて取り上げたいと思います。

 

 

 

畑起こし 2016年

今春も、畑起こしの季節がやっとやってきました。 根雪になったのが昨年の12月上旬? 庭の雪が解けたのが4月上旬で、畑の土を見るのは4ヶ月弱ぶりです。 解けても土にまだ水分を含んでいて直ぐには起こせません。 スコップ(剣先)を土に刺し込むとへらの部分に土はつくし、重たいでとてもとても。
今年は、4月23日から5日ほどかけて少しずつ起こしました。 もう六十路半ばになろうとするので、いっぺんにやろうとすると腰にきます。 少しずつ少しずつ。

畑を起こしていると。 コガネムシが出てきました。
コガネムシ 2016.4.24
当初(庭に畑をつくる前)は芝生を張っていたのですが、それを剥がして畑にしました。 剣先で一起こしするたびに、コガネムシが出るわ出るわ。 いちいち投げるのがめんどうになって、イチゴパックに溜めておいてまとめて処分したことがあります。 1㎡に20~30匹くらい?、もっと出てきたでしょうか。
「夏場に庭のオンコ(イチイ)が元気がなくなってきて枯れそうになった。 調べるために、イチイの根元を掘るとコガネムシの幼虫が大量にでてきた。」という話は聞きます。 さもありなんです。

コガネムシ(ナガチャコガネの説明)
年1回発生。 幼虫越冬。 成虫は6月下旬~7月頃出現し、日没直後に地上20~30cmの高さをゆっくりと飛び回る。 雌成虫は土中で産卵する。 卵は2~3週間で孵化する。 幼虫は根を食べながら成長する。食害量は秋に多い。 11月に幼虫は地下20~30cmの深さに潜って越冬する。 翌春、地下10cm前後のところに移動して蛹になる。 苗畑や庭のイチイで多発し、木を枯らすことがある。
(北海道 樹木の病気・虫害・獣害)