ポプラ 樹木の寿命

今から13年前の平成16年9月8日に超強風が北海道を襲いました。 最大瞬間風速50mの風が吹き荒れた台風18号です。 札幌市内の街路樹や公園樹が根こそぎひっくり返ったり、太枝がボッキリ折れるなどその惨状は今までに見たことがないものでした。 特に印象に残っているのが、ポプラの倒木です。 直径が1m(幹周3m以上)もある樹が根元から根こそぎ倒れているのを目の当たりにしたことです。 大きな樹が突然なくなると今まで見えてないものが現れて周りの景色が変わることも驚きでした。
2017.8.16
写真は、上述の台風で倒れたポプラ(改良ポプラと思われる)の切り株です。 場所は南区真駒内南町の真駒内川沿いで、その川に沿って立ち並んでいたポプラです。
倒木後根元から伐採されたのですが、翌年には切り株からひこばえ(不定芽)が出てきて、2~3年後には3mくらいの株立ち状になっていました。 しかし、管理者によってそのひこばえ(不定芽)は切り取られました。 そして、また何年かするとひこばえが出て、大きくなると切り取られました。 そんなことを何回か繰り返して、ここしばらくはひこばえは出ていなかったような気がします。 しかし、今年、また、ひこばえが出ています。 切株の廻りの地表面からは萌芽もしています。 根萌芽です。 今夏、ひこばえが出ているのに気づくまでは、「このポプラもついに枯れたのかな」と思っていたのですが、まだ生きていたのです。
樹木の種類にもよりますが、マツなどの針葉樹は枝を切断したら胴吹はしません。地際で切断された切株からひこばえは出てきません。 しかし、ポプラをはじめ、ニセアカシアやギンドロなどは胴吹、ひこばえ、根萌芽が盛んに出てきます。

2017.8.16
今回のポプラにしても何回もひこばえを処理をしているのですが、芽が吹きだしてきます。 おそらく、切株内や根に養分の蓄えがあって、それを使って形成層の部分からは芽を出し、地下では水分と養分の吸収できる新根(毛根)を出しているのでしょう。 もし、このポプラを枯らそうとするなら、切株内や根に残っている養分を使い切らせることが必要なようです。 それにはこまめで絶え間のない胴吹と根萌芽の処理が必要です。
これらの現象を見ていると、樹木は動物と違って “ 寿命がない、永遠に生き続ける不滅の存在 ” のように思えてきます。

 

 

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