ポプラのある風景(その4)

1-030 ポプラ2012.9.23
写真中央ににょきっと突き上げるように高くそびえる樹木があります。ポプラです。街路樹ニセアカシアの上にモクモクと入道雲のように枝葉を伸ばしています。この写真はその樹から300m程離れて撮っていますが、それだけ離れても、その存在感を十分に感じさせる樹木です。街中で車を運転中に位置を確認する目印として、ランドマークとしての役割は十分の果たしているようです。
1-036 ポプラ2012.9.23
札幌市で、平成7年にこのポプラの樹木診断を行っています。その診断結果によると、樹種:ポプラ、樹齢:75年、樹高:21m、幹周:3.4mとなっています。樹種はポプラとありますが、ヨーロッパクロポプラではないでしょうか? 樹齢は、今年が平成24年ですので、90年ということになります。創成川のポプラが樹齢100年程度で、大正の初めに植えられていますので、このポプラは大正末期に植えられたのでしょう。樹高は20m以上はあると思います。幹周が3.4mとなっていますが、直径に直すと1.08mです。先日見た限りでは、1.5mはないにしても、1.3m前後はあるように見えます。幹周に換算すると4m強になります。
場所は、北6条西17丁目で、北にJR北海道桑園駅、南に知事公館があり、桑園地区の真ん中に位置します。桑園地区は名前のとおり、養蚕を振興するために、明治期に桑が植えられていますが、このポプラは防風林として、用地の境界を明確にするために植えられたのでしょうか?この地区にはぽつんぽつんとポプラの独立樹が残っていますが、このポプラは、その生き残りの1本なのでしょう。
1-033 ポプラ2012.9.23
この樹は歩道と個人所有地のちょうど真ん中に立っていて、個人宅の塀はポプラを避けて回ってます。
このポプラは、車を運転する人にとっては大変分かりやすい目印(ランドマーク)になるし、街中のみどりを豊かすることや景観を引き締めるポイントとなり、一般市民(行政)にとっては貴重な樹木となるのです。
しかし、この樹から5mと離れていない白い建物に住んでいる住民の方にとっては、①この樹が建物の南側にたっているために年中日陰となり、視界が遮られること、②毎年、大量の落葉が庭に落ちてくること、この家の屋根を見ると無落雪のダクト方式なので、降雪前の屋根の落葉除去をしなければならないこと、③これが一番大事なんですが、強風時や台風シーズンになると、樹が倒れてこないかと心配になること、など、この家の方にとっては、迷惑な樹以外なにものでもない ということになります。
この樹は、大正末期に植えられた樹齢が90年の樹です。成長の早いポプラとしては老樹になります。もし、市民(行政)がこのポプラを街中の貴重な樹木と位置づけて今後とも守り育てていくのなら、最低限、継続的な観察と毎年の樹木調査を行う必要がありそうです。

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ポプラのある風景(その4)」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    ポプラの大きさに改めて驚きますね。
    確かに、この大きさの木がこんなに近くにあったら、怖い気がします。
    この大きさの木が落葉した時は、考えたくないかも…
    でも、北海道にポプラはなんて似合うんでしょう。

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    街の中に、遠くからでも見える大きな樹があることは、景観的にも気分的にも大変いいものなんですが、
    住宅とこんなに近いと、
    このポプラが誰が植えて、どのような事情でこのようになったかは分かりませんが、
    今現在、そこに住んでいる方に同情してしまいます。
    みんなにとっていいもでも、
    特定の個人に迷惑になる場合もあり、
    その部分の兼合いが大変難しいですね

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