アキニレ(その1)

2年前?に南区真駒内の住宅街で、今まで見たこともない樹を見つけて気になっていました。 樹の大きさは6~7mです。
1-022 アキニレ2014.10.5
葉の大きさは、縦3~4cm、幅が2.0~3.0cmで、見た目も小さいです。 葉の縁、鋸歯の部分の葉緑素が抜けて白くなっています。
1-061.jpg2012.7.12
葉形や葉の大きさからすると、アキニレではないか?と思ったりもするのですが、自信がありません。

1-008 アキニレ2014.10.5
真駒内のアキニレ?の樹肌は、赤い皮目が目立ちます。 樹木図鑑で調べると、「樹肌は褐色の小さな皮目があり、不ぞろいな鱗片状にはがれ、斑模様が残る(樹に咲く花)」 と記されています。 このブログには載せてないですが、図鑑の樹肌(アキニレ)はエゾノコリンゴの樹肌に似ています。
1-009 アキニレ2014.10.5
南区真駒内の住宅にあるアキニレの樹肌 .
幼木のころは樹肌に満遍なくあった皮目が、樹木の生長とともに表面に拡がる樹肌に押し狭められて縦長に連なるようになった。
葉はアキニレの葉だけれども、樹肌は図鑑と違うし、元々札幌にアキニレが育つと思っていないのですが、たぶんアキニレではないか?と思いつつ、「この樹はなんだろう」という気持ちでした。
アキニレは中部以西に自生している樹で、このブログにコメントをくださる“野山に咲く花”さんによると「中国地方の休耕田では野生化している」という話で 、アキニレは暖地に育つ樹という先入観が頭に入り込んでいるために、北海道(札幌)では、全く育たないと思っていました。
ところが、9月末に美唄にある道立林業試験場で樹木研修に参加したとき、樹木見本園で偶然、真駒内の団地で見つけたのと同じ樹をみつけたのです。
1-012 アキニレ2014.9.27
これが、林業試験場で見つけたアキニレです。 樹高6~7mで目通り幹径は20~30cmです。 樹名板には “アキニレ、園芸品種、 Ulmus.parvifolia ”と書かれています。 樹肌も斑模様ではなく、真駒内の住宅街で見つけたアキニレの樹肌と同じようだったと思います。
「やっぱり、あれはアキニレだったのだ」という自分の推測の正しさに内心少しうれしくなりました。
ちょっと気になる点が二つ。
一つは、 林業試験場の樹名版に園芸品種と書かれていますが、品種名がありません。 樹名版に園芸品種とあるのに品種名がないということは、試験場でもなんらかの理由でそれが分からなくなったのでしょうかね? 自分でも調べてみましたが判らなかったです。
もう一つは、樹肌の件。真駒内のアキニレの樹齢は20~30年は過ぎていると思われるので、これから樹肌が鱗片状になるか?というと、そうにはならないような気がするのです。
もし、この件に関してご存知の方がいらしたら、当ブログにコメントしていただければありがたいです。

後日、真駒内のアキニレを見に行くと、
1-006 アキニレ2014.10.7
枝先には実(翼果)がたくさんついていました。
長さ1cmほどの扁平な広楕円形で、10~11月に成熟する。(樹に咲く花)
1-007 アキニレ2014.10.5
アキニレは、名前のとおり9月に花を咲かせ、10月に成熟します。一方、札幌でよく見かけるハルニレは、4月下旬~5月上旬の葉が出る前に花を咲かせ、葉が出揃う5月下旬には果実は成熟して、6月半ばには地面に実殻(翼果)が落ちてしまします。
当たり前のことですが、ハルニレは春に花をさかせる樹で、アキニレは秋に花を咲かせる樹なんですね。
1-004 アキニレ2014.11.1
11月1日に写真を撮っています。まだ樹には緑葉が残っています。 紅葉はこれからのようで、ハルニレに比べると落葉は相当遅れるようです。  暖地から来た樹は、札幌の冬、寒さに適応できてない、できないようです。
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