アロニア  シンクイムシ?

毎年、アロニアを9月中旬に収穫しています。 それを天日干にして干しアロニアを作っています。  収穫方法は、実のつき方がナナカマドと似ているので、薄手のビニール手袋(100円ショップで購入)をはいて、果実の房をこすり取るようにすると、ぼろぼろとボールの中に落ちてきます。 手袋をはく理由は、アロニアの果汁で手が真っ紫になってしまうためです。 2018.9.20
写真は、アロニアを天日干しているところ

しかし、今年はこすり取っている最中に、他のアロニアの実がポロポロと地面に落ちるのです。
 2018.9.20
地面を見ると、しわしわになったものや一見正常に見える果実が多数落ちています。
2018.9.20
収穫後水洗いをするのですが、写真の果実は水に浮いたもので、それを割った果実内の様子です。 果実をいくつか割ってみたのですが、時期が遅いのか?、犯人(害虫)は見つかりませんでした。
右のアロニア(外見は正常に見える)は、中の果肉が食害されて種子と糞らしきものが残っています。 左のものは、食害されているようには見えません。 ただ、水分が抜けて小さくしわしわになったように見えます。 毎年、オウトウナメクジハバチには葉を食害されていますが、果実がこんなに被害を受けるのは初めてです。
それで、元北海道の試験場にいらした方に尋ねると、以下の資料を送ってくださいました。

北海道病害虫防除所
北海道立総合研究機構
「平成18年度新発生病害虫」
アロニアのモモシンクイガ・リンゴヒメシンクイ(新寄生)

平成17年9月中旬、道内の複数のアロニア産地において、収穫後のアロニア果実から鱗翅目幼虫が脱出する事例が多発した。 加害種を同定したところ、産地によって異なる種類の発生が確認された。
発生加害種は、江別市・富良野市においてはモモシンクイガであり、伊達市大滝ではリンゴヒメシンクイであった。 これらのシンクイムシ類の幼虫は、老齢幼虫でモモシンクイガが体長12mm、リンゴヒメシンクイが体長8mm程度と大きさに違いがあるものの、外見は淡赤色から赤色のイモムシであるという点で互いに類似していた。 ただし、モモシンクイガの幼虫は身体の刺毛基部が褐色の基板となるのに対し、リンゴヒメシンクイ幼虫は刺毛基板が発達していない。 また、モモシンクイガは被害果実から糞粒を排出するのに対し、リンゴヒメシンクイは糞粒がほとんど見られなかった。 リンゴヒメシンクイは年1化
(1年に1回成虫が発生すること)で成虫は7月中・下旬に出現するとされている。 平成18年に実施した薬剤効果試験の結果から、産卵時期は8月上・中旬頃までと推察される。

これを読むと、モモシンクイガは果実の中に糞粒を排出し、リンゴヒメシンクイはないとのことなので、上の写真で、外見は正常な方はモモシンクイガによる被害の確立が高いようです。 右の方は、リンゴヒメシンクイかもしれません。

それにしても、来年からは、プルーンと併せてアロニアも農薬を散布しなければならないようです。 渋くてえぐみのあるアロニアは虫も寄り付かないだろうと思っていたのですが、やはりえぐくても甘味があれば虫は寄ってくるのですね

 

 

 

 

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