バッコヤナギ

追記 1月27日(日) 1月9日のブログは下にあります。
1月9日のブログでオカバルシ川沿いに生えているヤナギをバッコヤナギとしていましたが、写真を掲載したものの自信がなかったというか心配になって、その後現地に行って小枝を採取してきました。
1-RIMG0001(赤字)
小枝の赤っぽい色は同じですが、冬芽はバッコヤナギとぜんぜん違います。調べてみると、オオバヤナギのようです。この樹は、高さ20m以上なるヤナギの仲間では最も大きくなる樹の一つです。豊平川沿いでは樹高が20mくらいはあるシロヤナギをよく見かけますが、このオオバヤナギは道東に多いというのが頭の片隅にあって、豊平川沿いにはないものと自分で決めてしまっていたようです。札幌の植物(原 松治著)を見ると、藻南公園、藻岩山、真駒内公園にもあるようで、ただ単に、自分が見ていなかった、知らなかっただけのことのようです。それでも個体数は少ない気がします。
1-RIMG0006-001(赤字)2013.1.25
これは、バッコヤナギの雄花です。葉が出る前に、花を咲かせます。一方、オオバヤナギは新葉が展開してから花を咲かせるようです。
*小枝を1月10日?に採取しています。約2週間ちょっとでバッコヤナギの雄花が咲きました。
~ ~ ~ 1月9日のブログ ~ ~ ~
一昨日と同じヤナギ(バッコヤナギ)の話です。バッコヤナギは南区を流れる豊平川及びそれに流れ込む真駒内川、オカバルシ川などの支流で、他のヤナギと同じようによく見かけるヤナギの一種です。ヤナギは種類が多く、エゾヤナギ、オノエヤナギ、エゾノキヌヤナギ、エゾノカワヤナギなどよく似た葉を持つ種類が多く、また、種間雑種(種<しゅ>の間で交雑が起き易く、合いのこができる)が出来やすいために、それらの樹種を見分けるのは多少の知識があってもほとんど不可能に近いのですが、このバッコヤナギは、冬芽や葉の形態(葉が分厚くて、幅も広く円形のものもあり、光沢がある)が他の樹種に比べて特徴的なので、私でも、「おそらくバッコヤナギではないか」と検討がつけられる樹種です。
1-015 バッコヤナギ2011.10.23
バッコヤナギを見分けるもう一つの特徴が、葉裏の綿毛のような超細かい毛です。
1-011 ヤナギ 真駒内川 バッコウヤナギ?2012.4.28
真駒内川の土手に生えているバッコヤナギです。おそらくです。確信はありません。花が咲いていますが、もうそろそろ終わりかけでしょうか?樹高は5~6m、幹径20~25cmで、これくらいの大きさのバッコヤナギはよく見かけます。
1-015 ヤナギ オカバルシ緑地2012.5.17
これは、豊平川に注ぐオカバルシ川沿いに生えている、バッコヤナギと思われる樹です。葉の形や光沢のある点はバッコヤナギなのですが、大きいのです。普段見かけるバッコヤナギに比べて大きいのです。樹高は20m弱?、目通幹径は80cm位はあると思います。葉の形態でバッコヤナギであろうと思っても、これぐらい大きくなると、どうも、普段見かけるものと同じ種類とは思えないのです。物の本には、かつては北海道の河畔にはこれぐらいの大きさのものは珍しくなく、舟の材料として使われたと書かれているのですが・・・・。
①冬芽
1-RIMG0025-001(赤字)2013.1.6
赤くて卵型が特徴です。大きさは1cm弱でしょうか。
1-RIMG0024.jpg2013.1.6
バッコヤナギの芽鱗は1枚のようで、、その中から白くて細い毛が蜜に生えている塊(花序?)が赤い芽鱗を押し破って膨らんできています。
②名前の由来
バッコヤナギとは面白いというか、バッコという響きにユニークさ感じる名前です。一度聞いたら忘れない名前です。「木の大百科」では、白井光太郎(植物学者)のベイコ(牛)説を記載していますが、「牧野植物図鑑」は記載無しで、その他の主な図鑑を調べても、その由来は不明としています。
インターネットで調べると不明としながらも諸説が書かれていて面白いです。
以下は、「岩木山を考える会 事務局日誌」から、バッコヤナギの名前の由来部分を抜粋。
「ヤマネコヤナギ」は別名を「バッコヤナギ(跋扈柳)」という。しかし、この由来は一般的には不詳とされている。 だが、「不詳」といわれるとあれこれと詮索し、忖度したくなるのだ。 …「バッコ」とは東北地方の方言で、「婆さん」のことを意味することが多い。特に、津軽地方では名詞の語尾に「っこ」とつけることが少なくない。 たとえば、「飴」は「飴っこ」、「氷柱」は「しがまっこ」とか「しがっこ」となる。だから、「バッコ」は「婆っこ」が相当だろうと考えるのだ。
そこで、もう少し勝手な「推理」する。この「婆さん」という名前は、花の様子が老婆の白髪を連想させるからだと、考えてみる。
雌花が受粉すると出てくる白い毛のような「柳絮」が、そのように見えないこともないからだ。これを「白髪」に見立てることは可能だ。まさに、「バッコヤナギ(婆っこ柳)」である。 また、「跋扈柳」という漢字表記もある。これもあれこれと「想像」を逞しくさせるものだ。恐らく、物知りの「当て字」だろうが、根拠がないわけではないだろう。 「跋扈(ばっこ)」という漢字は、「後漢書(朱浮伝)」に出てくる。「跋」は踏むであり、「扈」は竹で造った梁(やな)のことだ。 広辞苑では「大魚が梁(やな)の中に入らないでおどりこえることから、上を無視して権勢を自由にすること。転じて一般に、勝手気ままにふるまうこと。のさばりはびこること」とし、用例として「跳梁跋扈」をあげている。
「ヤナギ」は総じて成長が速く、沢筋の林縁や日当たりのいいところでは「どんどん」増える。まさに、「勝手気ままにふるまい、のさばりはびこっている」ように見える。そのような状態を物知りが「跳梁跋扈」している樹木の柳として「跋扈柳」と呼んでも別におかしくはない。だが、当て字に過ぎる。
ふと思った。重い積雪に圧せられた「バッコヤナギ」のその立ち姿は幹は曲がり、枝も曲がり、全体が腰の曲がった「婆さん」に見えないこともないなと…。
③Data(北海道樹木図鑑を基本にしています。)
・科名 ヤナギ科
・属名 ヤナギ属
・学名 Salix bakko  小種名のbakkoは和名のバッコヤナギのバッコです。
・花期 4~5月
・分布 北海道(南西部)、本州、四国

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