エゾユズリハ:譲らない葉

先月の話なってしまいますが、5月31日に札幌の中心部から西へ約10kmほど離れたところにある野幌森林公園へ行ってきました。当公園は面積が2,000haを超える道立公園です。過去に3回ほどここを訪れたことがあるのですが、いつも北海道百年記念塔と開拓記念館の中心施設を見学するだけだったのです。それで、今回は、開拓前の石狩平野に拡がっていた森林を垣間見ようと、ふれあい交流館~瑞穂の池まで約2kmの自然林を散策してきました。

011 イチイ 野幌森林公園 高さ7~8m?-0012014.5.31
自然林の中に生えているイチイ(オンコ) 樹高8~10m前後
野幌森林公園は自然林と人工林が布をつぎはぎしたように拡がっており、この散策コースも“ふれあい交流館”からしばらくは整然と植えられた人工林が続きます。 瑞穂の池に近づくにつれてハルニレやシナノキなど幹の太い樹が多くなる自然林が見られます。そんな鬱蒼とした森林の散策路脇で見つけたのがエゾユズリハです。
014 エゾユズリハ2014.5.31
円山や藻岩山では見かけたことがなかったのですが、初めて歩いた森林公園の園路脇で見つけたので、この野幌の自然林にはたくさん生えているのでしょうかね。 高さは1m弱で、写真のようにかたまって生えるようです。その回りに針葉樹が見えます。ハイイヌガヤのようです。
近づいて見ると、葉の付け根に開花前のつぼみを付けています。咲いている花の写真を撮りたくて、枝を家に持ち帰りました。
013 エゾユズリハ2014.6.8
それは雄花でした。しかし水挿では上手く咲かせきれませんでした。エゾユズリハは雌雄異株です。この雄花は3cm強で、総状花序、花弁のない雄ずい(やく)のみの原始的な花です。
枝を採取して室内で花を咲かせることがあるのですが、雌雄異株の樹種の場合、なぜか雄花が咲くことが多いようにおもいます。

<余談:譲らない葉>
、“ユズリハは新葉が開くと古い葉が落ちる(譲る)”と言われていますが、エゾユズリハは、実際はそのようではないようです。写真からもわかるように新葉が出てきても、昨年の葉はしっかり残っていて、この時期なら一昨年の葉も残っています。おそらく、これから、いつ頃とはいえませんが、一昨年の葉が順次黄葉して落ちていくのでしょう。
これに関して、“木の大百科”に以下の記述があるので紹介します。
「ユズリハという名は、春に新葉が出てから旧葉が落ちる入れかわりの様子がよく目につくことによっている。これから親子草という稚名もある。ただし旧葉が全部落ちるのではなく、多くは下方につく前々年のものである。」

 

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