ミョウガ(その2)

昨年の5月、ミョウガ苗(5本)を購入して、庭の片隅に植えました。植付前にウェブサイトなどで調べてみると、“ミョウガは乾燥に弱いので、植える場所は半日蔭でよい”という趣旨の書き方が多く、また、自分でも“ミョウガは丈夫そうだから” と勝手に思い込んでいたので、ほとんど陽の当らないところに植え付けました。
昨年の生育状況は、5月下旬に植え付け夏場には新芽が数本出てきて、それらの草丈も40~50cmになって少々小さめですが順調に生育していると思っていました。その頃は、来年の夏は採れたての ミョウガが食べられると確信していました。
雪が解け、畑起こしをするころから、“いつ芽がでるかな?”といつも楽しみにしながら眺めていました。しかし、樹木の新芽も出そろう5月中旬になっても一向に芽が出てきません。
“おかしい?”思っている中に5月下旬になり、5月29日には30℃を越す異常な暑さが札幌を襲い、その暑さが1週間ほど続きました。それでも、ミョウガの新芽は出てこないのです。我慢できなくなって園芸用の小さなスコップで掘り上げてみました。
一株目を掘り上げようとしたのですが、抵抗感なくスコップが土に入っていきます。その周りを掘ってみたのですが、ミョウガの地下茎がないのです。腐ってしまったようです。二株目の根の塊( 地下茎)は残っていましたが、そこから出てくるはずの新芽は一つもなく、根の塊(地下茎)を割ってみると薄黒褐色で生きている兆しは全くありません。5株掘り上げて、生きているのは、根の塊(地下茎)から3㎝弱程の白い芽が1本伸びている株が一つだけでした。
6月上旬でこの状態なので、ほとんど陽が当たらない地温の低い場所ではだめだと思い、、直射日光が当っても、地温が上がる場所に植替えました。それがちょうど6月上旬の真夏並みの気温のときで、植替え時期としては好ましくなかったのですが、とりあえず、無理矢理植え替えてしまいました。現在、その芽がちょこっと土から顔を出しています。これが生き延びてくれるかどうかわかりません。
ミョウガは日本にも野生種はありますが、もともと東アジア原産で、古い時代に日本に持ち込まれてきたもののようです。また、ショウガと同じ仲間で暖かいところに育つ作物です。花ミョウガの生産地は高知県が圧倒的に多いのですが施設栽培で、露地物では東北地方の秋田県や青森県で栽培されています。
家庭菜園で植えるミョウガ苗が札幌の園芸店で見かけないのは、、ミョウガ(その1)でも少し触れたように、
①販売したもののなじみがなく、マイナーは作物なので売れない
②植えてみたけれど枯らしてしまう(腐ってしまう)ことが多い
③収穫するタイミングがわからないので収穫できない
④収穫量がすくない、ほとんどない
などの理由が考えられますが、私のように植えてみたものの、春になっても芽が出てこない(株が腐ってしまう)という経験をした方も多いのかもしれれません。しかし、札幌でも人にお裾分けするくらいたくさん作っていいる人もいるのです。
また、ミョウガには、6~9月に花蕾が出てくる(本州の場合)早生タイプの夏ミョウガと、9~11月の晩生タイプの秋ミョウガがあるそうです。 私が購入した株はおそらく早生タイプと思うのですが、これが株の腐れとは関係ないと思っています。
越冬できなくて腐ってしまう原因は、冬の寒さ、特に雪が積もる前の急激な気温の低下による凍害と雪解け時の過湿と考えられます。その対策として、秋口の落葉によるマルチングや少し土を盛って高畝にして排水をよくすること、また、札幌の場合本州に比べて夏場の気温が低いので、半日陰ではなく十分に陽が当たる場所に植え、土壌の乾燥には落葉などマルチングで対処し、夏場に十分生育させて丈夫な株に仕上げることで、ミョウガの越冬と毎年の花蕾形成は可能と思っています。 ので、今秋か来春、苗を買って再度 試してみようと思っています。
もし、北海道で、“毎年、たくさん収穫しているよ”という方がいらしたら、ご連絡ください。お待ちしています。
<余談:品種及び栽培>
・栽培品種 : 花の生じる時期により、夏ミョウガ、秋ミョウガの2系統に分類されている。夏ミョウガは早生品種で6~9月に花蕾が発生する。この花蕾を「花ミョウガ」または「ミョウガの子」といい収穫して食べる。秋ミョウガは、中生、晩生品種で9~11月に花ミョウガを収穫し、収量も多い。
・栽   培 : 乾燥する畑は生育もよくないので、適度に水分のある畑がよい。花ミョウガには、半日陰の畑でもよいが、ミョウガタケの親株の養成には日当たりのよい畑を選ぶ。また、連作すると病気が多発するので、今までにミョウガをつくったことのない新しい畑に植え付ける。(園芸植物大辞典)

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