フキノトウ  雄花と雌花 

キク科植物は、ヒマワリのように花の外側に大きな花弁をもつ舌状花と内側に筒状花が集合体となって一つの花を形成しているものや、キクやタンポポなど舌状花のみで一つの花を形作っているものなどがあります。しかし、花の形態は違っていても共通していることは一つの花弁に雄しべと雌しべがあり、それがたくさん集まって一つの花(頭花)を造っていることです。

そのような花を咲かせるのがキク科植物の花だと思っていたのですが、フキノトウは雄株と雌株があり、雄花と雌花が別々に咲くようなのです。

それでその時期になったので、我が家の近くでフキトウが生えているところに出かけ、観察と写真を撮ってきました。2023.4.25
フキノトウを漫然と見ているとただのフキノトウなのですが、近くでじっくり観察すると、株により花の咲き方が違うものがあること分かります。 雄花らしきものと雌花らしきものを見つけました。

2023.4.25
1個1個の花を拡大すると、

2023.4.25
花の形態の違いは区別できますが、どちらが雄花か?雌花か?判りません。 それで花を割ってみました。

2023.4.25
これでもどちらが雄花?か、雌花?か判らないので、園芸植物大辞典で調べると、フキ属の花について以下のような説明がありました。

フキノトウは花茎に平衡脈を持つ苞を互生し、頭花(頭状花序)を円錐状につける。 雌性小花の花冠は糸状で切頭または舌状。 雄性小花は、筒状で5歯あり、葯の基部は鈍形またはやじり形。花柱は雌性小花では糸状で先は先が短く2裂し、雄性小花は棍棒状で先が短く2裂するが裂片が直立する。

この説明から推測すると、写真上の左側が雄花で右側が雌花のようです。 それでもいまいち確信にまでに至らないので、1個の花を分解して写真を撮りました。

2023.4.25
再度、園芸植物大辞典の記述を載せます。
雌性小花の花冠は糸状で切頭または舌状。 雄性小花は、筒状で5歯あり、葯の基部は鈍形またはやじり形。花柱は雌性小花では糸状で先は短く2裂し、雄性小花は棍棒状で先が短く2裂するが裂片が直立する。

写真左側が雄花で中央が雌花のようです。右端は多数の雌花の中に数本混じっていたのですが、雄花の可能性があります。 雌花雄花ともに花柱の基部から白くて細い糸状のものが拡がっていますが、これは冠毛と呼ばれるもので、がくが変形したものだそうです。

<追記>
1週間ほど前にフキノトウを採取して水につけて置いたら、写真のようにタンポポと同じように綿毛のタネを付けました。 白っぽいのが雌花です。 白い産毛のような塊は上述の冠毛です。雌花の下に茶色の垂れ下がっているものが見えます。それが雄花です。ほとんど枯れています。花瓶の周りのテーブルを手で触るとザラザラします。 花粉が落ちたのでしょうか。
2023.4.28

今回の観察でもう一つ気づいたことは、フキノトウの生えている一帯は、雄株と雌株が入り混じって生えているのではなく、集団をつくるというか、この一帯のフキノトウは雄株、その向こうは雌株といったふうに、別れて生えているようです。 ので、フキはタネで生息域を広げると同時に、地下茎でも増えるようです。

 

 

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