ミヤギノハギとヤマハギ

札幌の公園などで見られるハギは、ほとんどがミヤギノハギかヤマハギのどちらかです。
ヤマハギは、日本、朝鮮、中国、ウスリー川流域(中国とロシアの境界を流れる川)と極東アジアに広く分布しています。一方、ミヤギノハギは、①東北、北陸、中国地方(北海道樹木図鑑)、②本州の中部地方以北の日本海側に自生するケハギから作られた(樹に咲く花)、③野生は極まれで、北陸や中国地方にあるといわれ、また、中国大陸にもあるとされているが、はっきりしない(世界の植物)など、それぞれ本によって書き方が異なり、要ははっきりしないようです。
1-018 ミヤギノハギ2012.9.18
ミヤギノハギは、茎の基部が木化しますが、上方の茎は草のように柔らかく、地表面まで垂れ下がり、優美な樹姿をつります。一方、ヤマハギは垂れる枝もあるのですが、写真のように立生の枝もあり、その樹姿はミヤギノハギに比べると優美さに欠けます。
1-013 ヤマハギ2012.9.18
1-010 ミヤギノハギ2012.9.18
葉は三出葉で、左はミヤギノハギ、右はヤマハギです。ミヤギノハギの葉は先が尖りますが、ヤマハギは丸みを帯びます。葉の大きさは、全般的に見て、ミヤギノハギのほうが少し大きいようです。
1-003 ミヤギノハギ2012.9.18
ハギの花の付き方は、3出葉の葉柄基部ごとに1花序をつけます。花の咲き方は、基部のほうから枝先に向けて順次開花していきます。ミヤギノハギは、ヤマハギに比べて、花も大きく花序の長さも倍近くになります。
花色は、ヤマハギの学名が Lespedeza bicolor というように、花が開くと白っぽく見えます。
樹姿、花の大きさ、花色、どれをとってもミヤギノハギが勝るのですが、郊外の道路際で、法面緑化に植えられたこの花に出会うと、周りにほとんど花がないこともあって、薄いピンクの小さな花でも目に留まるものです。
1-014 ヤマハギ2012.9.18
市内には、きれいに咲くミヤギノハギを見られる公園などの施設はありますが、今回は札幌市農業支援センターのミヤギノハギを紹介します(写真が無いのが残念です)。
場所は、東区のサトランドの横に隣接しています。この施設は、市内の農業生産者はもちろん、市民の方に食の安全や農業について理解を深めてもらうための事業を行っているのですが、ここにもすばらしいミヤギノハギがあるのです。農場正門からセンター事務所の約100mの通路両側に植えられています。ここのミヤギノハギは毎年、花が終わって冬を迎える前に、地際から数センチ茎を残して全て切ってしまうのです。それでも、毎年、花の咲く頃になると株高が2m近くになり、枝が道路に垂れ、通路を歩くと圧迫感を感じるほど繁茂します。繁茂する分だけ花をつけるので、最盛期は本当にきれいです。
ただし、この施設は農作物の栽培試験等を行っており、公園のように出入りが自由にできる施設ではありませんので、もし、立ち寄る場合は、事前連絡が必要です。

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