ハルニレ(その2):真駒内のハルニレ(冬)

1-RIMG0022.jpg2013.2.10
真駒内公園のアイスアリーナの横にあるハルニレです。高さ:22m、胸高直径:120cm、樹齢:320年の大樹です。真駒内公園には、イタヤカエデ、ミズナラ、カシワ、ハリギリなど推定樹齢135年以上の大樹が25本あります。その中で、ハルニレが17本を占めています。そのうちの1本です。 左下に歩いている人が見えますが、樹の大きさがよくわかります。
1-010 同左2011.2.23
1-RIMG0005.jpg2013.2.10
真駒内公園に接して南北に走る国道の向い側に真駒内」曙中学があります。この学校の校庭には3本の大きなハルニレが残っています。
1-RIMG0016(赤字)2013.2.10
これは、3本のうちの1本で校庭の真ん中にあるハルニレです。高さは20mはあるのでしょか、幹径は幹が二つに分かれるところで1.5mくらいはありそうです。樹齢は300年を超えます。円形の樹冠とその中を幹枝が走る線模様がなかなか美しく、絵になっています。ハルニレの大樹は葉をつけている夏の樹姿より、厳しい冬の白い景色に太い枝を拡げて孤独に立っているのが似合っています。というか、私はそんなハルニレが好きです。
*NHKのホームページ「ダーウィンが来た」では樹齢300年、真駒内中学のホームページでは400年と記載されています。
<余談>
NHKの日曜日夜に放送される「ダーウィンが来た」で、数年前に、このハルニレが取り上げられました。内容は、この大樹にモモンガが住み着いているという話題です。
興味のある方は以下のページへどうぞ
http://cgi2.nhk.or.jp/darwin/broadcasting/detail.cgi?sp=p050
1-083 ハルニレ 真駒内曙中学2011.7.1
1-054 ハルニレ 五輪通2013.2.10
真駒内公園を東西に分けるように走っている五輪通です。そこに植えられているハルニレです。昭和40年代後半から昭和50年代前半に植えられています。ちょうど札幌で行われた冬季オリンピックの前後です。樹齢は50年前後と思います。この五輪通は歩道幅が広く、両サイドとも7~8mくらいはあるのでしょうか、そのため、街路樹ハルニレは自由に枝を伸ばして大きく育っています。そして、周辺はプラタナスなどの公園の大きな樹々に囲まれているため、夏にこの通りを車で走ると、緑のトンネルの中を潜っているような気分になります。
真駒内地区のハルニレ(ハルニレの巨木が多く残っている理由)
(その1)今から百数十年前、開拓使がこの地を牧場にするために原野を切り開きました。そこにはハルニレをはじめイタヤカエデ、ミズナラ、オニグルミ、ドロノキなど大きな樹がたくさん生えていたと思います。その中でハルニレの大木が多く残ったのは、切り倒すには大きすぎて持て余されたためか、それとも周りの樹々に比べて立派すぎて切れなかったか などいろいろな理由はあったのでしょうが、やはりハルニレはこの地では一番大きく立派に成長する樹だったからだと思います。
(その2)真駒内公園とその周辺が、ちょうど豊平川とその支流である真駒内川が合流する上流側に位置し、西側には藻岩山、東側には西岡の丘陵地帯に挟まれ、この地域が二つの川の氾濫域で、上流から栄養豊富な土壌が堆積する肥沃な土地であったために、それを好むハルニレが多く生えていたのでしょう。
(その3)真駒内が行政=北海道によって街づくり(団地造成)が行われたことも大きな要因だと思います。真駒内団地の造成は、昭和30年代から始められましたが、その当時の団地造成に伴う苦労話をふりかえる座談会を地元町内会で作成されたCDで聞いたことがあります。その中で、当時公園や緑地の整備を担当する係長さんが、①真駒団地の全体的な緑地に係る基本計画は大学に依頼していること、②その当時の道庁には公園・緑地造成の専門職がいなくて、係長さん自身は自然保護関係の仕事に携わった方であること ③公園や緑地の整備の考え方は、なるべくそこにある樹木を生かすようにしている という話の内容だっと記憶しています。
真駒内が札幌の中で最も緑豊かな街の一つで、真駒内公園や真駒内中学の校庭の真ん中にハルニレの大樹が残っているのは、地形的な好条件はもとより、街づくりのなかで、それに関わる人々のその土地にある緑を生かそうとする考え方が基本にあった、そしてそれが地域人々に受け継がれているからだろうと思います。

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