ハルニレ(その3) 

冬芽
1-009-001(赤字)
①冬芽は水滴の形で、芽鱗の色は、赤紫から黒紫の幅があります。 枝先にあるのは頂芽ではなく、仮頂芽です。c中央にある冬芽は側芽になります。
※仮頂芽 : 枝の先端の芽を頂芽といい、春先、頂芽が発達せず側芽が分岐するすものを仮頂芽という。
②半円形の葉痕の中に、2~3個の維管束痕(水や養分を通す管)が見えます。
○小枝には、白い毛が沢山生えています。
名前の由来
牧野新日本植物図鑑より
春ニレで、春に花が咲くからである。ニレは滑れ(ヌレ)の意味で皮をはがすとぬるぬるするからである。古名はヤニレというが、これは脂滑すなわちヤニヌレの略だと言われる。樹皮の下の汁が粘滑だからである。
Data
科名 ニレ科
属名 ニレ属
学名 Ulmus davidiana var.japonica
花期 4月下旬~5月上旬
分布 日本、千島、サハリン、朝鮮、中国など
ニレの仲間 ハルニレの仲間には、ハルニレ、アキニレ、オヒョウなどがありますが、アキニレは北海道になく本州の東北以南の暖地性で、ハルニレはそれよりも北に生え寒地性で、春に花が咲きます。
1-040.jpg2012.12.23
樹高:20m、胸高直径:133cm(幹周:418cm)、樹齢:350年 後方建物:アイスアリーナ
アイヌの人々とハルニレ (北海道大百科事典:ハルニレの項目:更級源蔵)
ハルニレのことをアイヌ語でチキサニという。“チ・キサ・ニ”とは、“われわれが・こすり合わせる・木”ということで、昔はこの木の乾いたもので火きり臼と火きり杵をつくり、それをこすり合わせて火を作った。このことは松浦武四郎の「久摺日記」の中に詳しく記載されている。カラ・二(発火器の木)と呼ぶところもある。発火器にして火をつくるばかりではなく、この木の枯れたのに落雷して燃え出した火は容易に消えることがないので、炉の中のたき火には必ずこの木の枯れた丸太を1本入れてたき、その丸太についた火は1本でけになっても消えないので、マッチなどの発火器ない時代には、火を守る上になくてはならない大事な木であった。
地上に最初に生えたハルニレがあまりに美しかったので、天上界でも評判になり、中でも雷神が最も熱心にハルニレの姿を見ていた。そこで、他の神が悪戯をして雷神を押したので雷が真っ逆さまにハルニレの上に落ち、そのためにハルニレが懐妊して生まれたのが、人間の始祖のアィヌラックル(人間くさい方)であったいう。これはハルニレに落雷して火が燃えたことによって、この島で人間生活が可能になったこことから発生した伝承であろう。・・・・・・・・・
アイヌの人々はハルニレを神様の位では最高の「火の神」として敬ったそうです。
1-045 ハルニレ2012.6.3
樹高:19m、胸高直径:89cm、(幹周:280cm)、樹齢:280年

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ハルニレ(その3) 」への2件のフィードバック

  1. SECRET: 0
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    北海道の広葉樹ではカンバ類に並んでハルニレが比較的有名ですね。
    ただ、北海道に行ってまじまじと見たわけではないですが・・・。
    こちらではほとんど生えていないようで、私にはあまり馴染みのない木です。
    アキニレは見る機会が多いです。
    道路の法面、休耕田、河川敷、荒地など、日当たりが良いところには必ずと言っても良いほど生えています。
    オヒョウは中国山地沿いのどこかの沢沿いで一度だけ見かけました。
    北海道ではたくさん見られるのでしょうか?

  2. SECRET: 0
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    こんばんは、いつもコメントありがとうございます。
    アキニレは、ハルニレを一回り小さくした樹というイメージだけで、そのほかは、ハルニレと同じような樹であると思っていました。しかし、コメントによると、いたるところに生えている樹のようで、こちらで言う ニセアカシアに近い存在のようですね。外来種と自生種の違いはありますが・・・・。
    私は、「山」にはほとんど登らないのですが、札幌中心部に近くで、現在も原始林の状態で残っている円山や藻岩山」には、年に1~2回程度行きます。そこには、オヒョウの大木が見られます。また、自然林を抱える大きな公園でも、小さめですがオヒョウの木を見ます。

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