イタヤカエデ(その1)

2月上旬に近くの河川敷から採取してきたイタヤカエデです。葉が展葉するまでに1ヶ月弱かかっています 。花芽と思っていたのですが、葉芽でした。
088 イタヤカエデ(赤字)2013.3.1
イタヤカエデの葉は掌状に5~7裂します。今回採取した枝は5裂の葉でした。
1-003 イタヤカエデ?2012.2.5
ニセアカシアやシンジュなど冬季間も樹上に種子をつけたままの樹は以外多く、このイタヤカエデも種子(翼果)を沢山つけて冬を越す樹が多いです。
※翼果:果皮の一端が伸びてできた膜状の翼があり、風に乗って飛散する。カエデ・ニレなどにみられる。
1 冬芽 ~ 新葉
)1-006 イタヤカエデ(イタヤカエデ (赤字)2012.3.11
イタヤカエデの冬芽の色は赤味を帯びたものから緑がかったものまで幅があり、この写真の冬芽は黒に近い紺色?群青色?という感じです。
1-093 イタヤカエデ(赤字)2011.5.5
5月上旬、ちょうどゴールデンウィークの頃、冬芽が大きく膨らみ、そこから葉と同時に蕾も顔を出します。
1-177 イタヤカエデ2011.5.15
このような花の咲き方を散房状円錐花序というそうです。
1-010 イタヤカエデ2011.5.7
花色は緑色帯びた黄色で、花は小さく、5mm程度です。
1-013 イタヤカエデ2011.5.7
この花をよく見ると、雌しべがなく、雄しべだけです。雄花のようです。
カエデの仲間は花の形態がいつくかあって、
①ネグンドカエデやアメリカハナノキなどは雌雄異株で、雄花と雌花は別々の樹に花を咲かせる。
②ノルウェーカエデは同じ花序に雄花と雌花をつける。
③イタヤカエデは、同じ樹に雄花と両性花(雌しべと雄しべがある花)を咲かせる。③のパターンが一番多くて、ヤマモミジ、ハウチワカエデ、アカイタヤ、カラコギカエデなどがあります。、
1-023 アカイタヤ?2012.5.6 エドウィン・ダン記念公園
イタヤカエデはエゾヤマザクラとちょうど同じ時期に花を咲かせます。満開のときでも遠くから見るとぼやぁーと黄色く見えるので、サクラに負けてしまうのですが、それでもこの時期は他の樹木は葉も出ていないので、エゾヤマザクラのピンクとイタヤカエデの黄緑色は目を引きます。
1-024 アカイタヤ2012.5.6
近くで撮ると、このように鮮やかに見えます。
1-013 イタヤカエデ 藻岩山2012.5.7
中央の黄緑色の樹がイタヤカエデです。藻岩山の斜面です。
1-001 イタヤカエデ プンゲンストウヒ 藻岩山2012.5.7
前面にほんの少し顔を出しているエゾムラサキツツジ、背景に霞がかったように見える藻岩山、そして、プンゲンストウヒの緑色に挟まれて、黄緑色のイタヤカデが花を咲かせています。イタヤカデが美しいと思って撮った写真を見ると、晴れてはいないけれど暗くはない明るめの雲の日が多いです。青空をバックに太陽に照らされて鮮やかに映し出されるイタヤカエデより、パステル調の景色に納まったイタヤカエデが似合っているようです。
2 名前の由来
辻井達一著「日本の樹木」より
牧野富太郎博士は、葉がよく茂って板屋根のようになり、雨露の漏れることのないところから来たと言い、民俗学にも造詣の深かった武田久吉博士は、イタヤギあるいはイタヤと呼ばれているが、その語源については明確なものはないと言う。板谷という地名があるがこれとの関係も明らかではない。カエデの仲間では大木になる種類であり、材として用いられたから、あるいは単純に板の木という意味で呼ばれたのかと思われる。
3 Data
・科名 カエデ科
・属名 カエデ属
・学名 Acer mono
・花期 5月上旬
・分布 日本、サハリン、朝鮮、中国

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