カンボク(その2) 

前回、7月31日に取り上げたカンボク(ハムシに葉を食害されて丸裸の枯木同然になったカンボク)の続きです。
1-036 カンボク テマリカンボク(akaji )2011.6.11 北大植物園 手前はテマリカンボク
カンボクと同じスイカズラ科で、同じような大きさになる潅木で、同じように白い花を咲かせるガマズミは、郊外の道路沿いなどに生えているのですが、一方、カンボクは郊外の林縁など野生で出会うことはほとんどなく(ただし、北海道に自生)、もっぱら個人の庭でよく見かけます。ガマズミは山の樹でカンボクは庭の樹のようです。
1-037 カンボク(akaji2011.6.11 6月開花
花の大きさは10cm前後で、小さなつぶつぶ(両性花:雄しべと雌しべがある花)のまわりに白い大きな装飾花をつけます。
038 カンボク(akaji )2011.6.11
032 カンボク(akaji )2011.7.24
花が終わって、9月に入ると赤い実をつけます。7月下旬頃には実も大きくなり、8月に入ると実の中に赤味を帯びたものも出てきます。
012 カンボクの葉(akaji )2010.9.20
テマリカンボクは同じ樹でも部位によって違った葉が出てきます。多くの葉は、写真中央のように3裂するのですが、葉縁の鋸歯がほとんどないもの、それが粗いものなど色々あるようです。イチョウやヤマグワの葉は、1枚1枚の葉が全て違う形をしており、それを“異葉性”というのだそうですが、カンボクもその傾向が少しあるのでしょうか。
<余談>
一見、花の形態が同じように見えても、元をただすとそれぞれ違った器官が変異?進化?したものであったりします。装飾花は、雄しべ・雌しべが退化し、花びらや萼(がく)が発達した花のことですが、アジサイの仲間はがくが変化したもので、スイカズラの仲間(カンボク、オオカメノキ、ガマズミ、テマリカンボクなど)は花弁が変化=大きくなったものだそうです。
植物のありとあらゆる部位で、周辺環境の変化で?勝手に?偶然に?変異が起こり、それが子孫を残すことに悪い影響がなければ、それはそれなりに生き続けることができるようです。それが生物の多様性なのでしょうかね?

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