小金湯さくらの森公園 割竹縦穴式土壌改良法

2022.8.29
写真のエゾヤマザクラは、平成29年(2017年)に、小金湯さくらの森公園のシンボルとして、ビジターセンター(写真左側に移っている建物)南側芝生広場に植えられました。
植栽時(2017年)の樹木の大きさは、
高さ(H)=6.0m、葉張り(W)=2.0m、幹周(C)=0.47m でした。
現在(2022年)は、
高さ(H)=6.3m、葉張り(W)=3.9m、幹周(C)=0.54m です。
植栽後5年を経過して葉張りは2倍近く横に伸びていますが、高さは植栽時とほとんど変わりません。幹周も植栽時から7cm太くなっていますが、平均すると1年で1.4cmで、この数値では順調に育っているとはとても言えません。
昨秋、落葉を根元に敷き詰めたのですが、これが効果的だったようで、以前に比べて葉色は濃くなり、1枚1枚の葉の大きさも2培近くになったようで、手で触ると葉の厚みも感じます。
このように今年は少し元気になったようですが、それ以前は、葉色は薄く葉は小さく葉と葉の間に隙間ができる、元気がない、樹に勢いがない状態でした。
それで、グリーンコンサルタント緑の研究所 金田樹木医の提案により、このエゾヤマザクラの樹勢の回復tと成長を促すために「割竹縦穴式土壌改良法」を行うことになったのです。

この工法を簡単に説明すると、
① 直径5cm前後の 竹を50cm~1mの長さに切り、それを二つに割って中の節をとる、
② 次に、手当てする樹木の回りに深さ50cm程の穴をあける。 場所は細根が多くある位置で、枝先の直下 当たり。
③ 穴をあけたところに、二つに割った竹を差し込み固定する。
④ その周りに肥料分の入った土壌改良材を充填する。
作業自体は至って簡単です。

金田樹木医の話によると、処置後1年も経過すると、差し込んだ竹の周りには根がたくさんまとわりついているのだそうです。
植物の生育に欠かせないのは、先ず第一に適度な水と空気(酸素)です。 その次に適度な肥料。 畑の作物と同じで、畑を起こし土を柔らかくして(土の中に空気を入れる)、作物を生長させるのです。 これと同じです。
2022.8.29
細根があると思われる位置(枝先直下)にアースオーガで直径10cm、深さ約50
cmの孔をあける。
2022.8.29
そこに準備して置いた割竹を差し込み固定する。
2022.8.29
割竹を固定して、地上部に突き出てていた部分の割竹を切断 2022.8.29
その周りに肥料分の入った土壌改良材を充てん。 2022.8.29
今回はこのエゾヤマザクラに4か所に処置。
2022,8.29
処置完了。 この工法の「みそ」は土中深くまで空気を入れてやることです。
金田氏の話によると、竹に穴をあけるとより効果は高いとのこと。

以下は、国土防災技術株式会社のHPからの抜粋です。
上述の会社が日高町の二十間道路桜並木で、金田樹木医の指導の下でサクラの樹勢回復のために割竹縦穴式土壌改良法を施工したときの説明文です

樹木の根は、水のほか、酸素も必要です。このため、通気透水性の向上と施肥を兼ねた改良法を試みました。割竹は松前町の孟宗竹の間伐材を約1mに玉切りしたもので、竹の節を取ってパイプ状としたものを使用しています。
・対象となる桜1本につき、細根が多く分布する外側環状に8か所をアースオーガで1m掘削し、割竹を立て込みます。
・下水汚泥等を原料とした堆肥「ハイブリット」(㈱白滝有機産業(岡山市))を主体に、木質チップを特殊解繊処理して陽イオン交換容量を高め、「フジミン」を添加した土壌改良剤「DWファイバー」(製造元:大建工業㈱)、稚内珪藻頁岩粉砕物、混合土(金田樹木医が4種類のもの(鹿沼土、ピートモス、もみ殻燻炭、パーライト)をブレンドして使用しているもの)、これらを一定の割合で混合したもの(以下「混合ハイブリット」という。)を割竹の周囲に充填しました。

金田樹木医の話によると、上述の施工材料と小金湯さくらの森のものとは全く同じとのことです。
このエゾヤマザクラの来年以降の成長が楽しみです。

 

 

 

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