イヌサフラン(コルチカム)   ギョウジャニンニクと間違う  

昨年の春、庭に植えてあるスイセンとニラの葉を採り間違えて料理し、それを食べてお腹の具合がおかしくなり、病院で診てもらった という話を元職場の同僚から聞いたのですが、今朝、テレビを見ていると、ギョウジャニンニクとイヌサフランを間違えて中毒を起こしたというニュースが流れていました。
スイセンの葉は間違えて食べても嘔吐や吐き気程度で済むようですが、イヌサフランはそうはいかないようです。
毒草大百科によると、
イヌサフランが保有する毒の成分はコルヒチンで、この致死量は1~6mg。 球根には0.3~0.5%含まれており、10g(大体1球)も食べれば死んでしまう可能性が高く、2球もあれば十分死んでしまう、そうです。

しかし、ギョウジャニンニクと間違えても、春先に採取するのは葉の部分なので、球根ほど毒の成分が多くないので大丈夫ではないかと一瞬思ってしまいますが、死亡事故の例もあるようで、 安心してはいけません。

それでは、イヌサフランってどんな植物?と思って調べてみると、

イヌサフラン : ユリ科 コルキクム属(Colchicum属)。 本属の植物は60~70種あり、ヨーロッパ、北アフリカ、アジア西部および中央部に分布する。 和名や種の英名からクロッカス(Crocus)と近縁のようにとられるが、クロッカスは雄しべが3個、本属は6個であることから容易に識別できる。(園芸植物大辞典)

サフランという似た名前で同じような形をした球根、おまけに同じ時期に同じような花を咲かせる植物がある。 このサフラン(秋咲きクロッカス)はアヤメ科でイヌサフランとは全く違う植物である。 毒性をほとんど持っていないため、入手の時は注意して選ぶようにしてほしい。 イヌサフランとサフランの正しい見分け方は、花が咲いたときにオシベが6本あるのがイヌサフラン、3本がサフラン、花が咲くときに葉がないのがイヌサフラン、葉があるのがサフランと覚えておくのといいだろう。(毒草大百科)

花で見分けがついてもそれは秋で、春先でてくる葉がよく似ているために間違うのです。 ギョウジャニンニクの入手方法は、多くの場合(店頭で買う場合を除き)近隣の自然林か山に入って採取するので、イヌサフランの仲間が日本に自生していないことからすると、山菜採りで間違うことはなさそうです。 問題は、私の同僚がスイセントとニラを間違えたように、ギョウジャニンニクとイヌサフランを庭に植えた場合に、事故が起こる可能性がありそうです。 植えた本人は分かっていても、奥さんもしくは家族が間違って摘み取る可能性は十分にあります。

ちなみに、普段よく見かけるイヌサフランは、
コルチカム
2015.10.6
10月上旬に、地際から葉は出さないで花梗だけの淡紫桃色の花を咲かせる、あの花です。 札幌ではキクの仲間以外ほとんどの花が終り、そろそろ冬の気配を感じる時期に、このコルチカムの鮮やかな花色は印象的で、なかなか忘れられない、直ぐ頭に浮かぶ花の一つです。
コルチカム 2013.10.14
ギョウジャニンニクの葉は、毎春摘み取っているので一目見ればすぐ分かるのですが、コルチカムの葉?、見たことがないのです。 秋口に咲く花は知っていても、葉は翌春に出るので他の草木にまぎれて気づかないというか、見ていないのです。

ギョウジャニンニクとサフランの違い
 http://www.tokyo-eiken.go.jp/assets/plant/inusahuran.htm

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