キュウリ 不作

以前は園芸店でキュウリのポット苗を買っていました。 キュウリは寒さに弱いと言われているので、必ず6月に入ってから5日~ 10日の間に植えていました。 地域限定の園芸書や市民向けの家庭菜園の手引書にもそのように書かれています。 それで、年による豊凶の差はそれほどなかったのです。 しかし、職場の女性に、「そんなに難しくないよ」という言葉に刺激されて、2年前から種をまいて苗をつくるようになったのです。 一昨年と昨年は5月下旬~6月にかけて気候が良かったのか、食べきれないほど採れたのです。 豊作です。 しかし、今年は不作でした。 下表は、過去3年間の収穫本数の比較です。
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5株植えているので、過去2年は約50本/株ですが、今年は15本/株です。 1/3以下に減っています。 自分では、毎年同じ時期に種をまき、同じ量の肥料をやっているので、栽培による違いで不作になったのではなく、その原因は、“温度” かな?と思っていました。 しかし、このブログを書くために自分の栽培記録や気温を調べていくうちに、その原因が浮かんできました。 下表は過去3年間の栽培記録です。
3年間の栽培記録.ods-1
平成25年と平成26年は、5月上旬にセルトレイに種をまいて、10日後の5月中旬に9cmポリポットに鉢上げ(移植)しています。 そして、5月下旬に定植です。 両年の作業日に前後はあっても作業は同じパターンです。 ところが、今年は鉢上げ(移植)の手間を省くために、種を直接9cmポットにまき、それをそのまま5月下旬に定植しています。 この違いが不作に大きく作用したようです。

次に気温です。
無題 (2)
今年の5月、6月は暖かくなかったというイメージがあるのですが、調べてみると、実際は特別にそうであったということでもなさそうです。 定植時期の5月下旬は3ヵ年ともおおよそ同じです。 定植後の6月上旬の気温を見ると、3ヶ年で一番収穫の多かった平成26年はかなり暖かかく、平均気温が20度越えています。 ところが、豊作であった平成25年と大不作であった平成27年(今年)は平均気温、最低平均気温もさほど変わらないように見えます。平成25年と平成27年の平均気温の差、1.2℃と最低平均気温0.4℃の差が生育・収量にどのような意味を持つか分かりませんが、6月中旬では、一番収穫本数の多かった平成26年より平成27年のほうが気温が高くなっているので、平成27年6月上旬の気温が平成25年より少し低かったことが、不作になったことにつながる大きな原因とは考えにくいのです。

キュウリ キュウリ
2013.6.4                         2015.6.4
写真左のキュウリ苗は、昨年(平成26年)のものです。 5月1日に種をまき、5月24日に定植。 定植から11日が経っています。 右の苗は今年(平成27年)のものです。 4月30日には種。 5月30日定植。 定植から5日目です。 両方とも本葉が3枚で、株の大きさは少し今年の苗のほうが大きく見えます。 しかし、葉の色は薄く、葉が内側にまいています。

今年(平成27年)の苗は、4月30日に、は種して9cmポリポットに鉢上げしないでそのまま定植しています。 ひょろ長いひ弱な苗にしたくないために、5月中旬から、少し温度が低いかなと思っても、晴れた日は朝8時ごろから夕方5時頃まで外に出していました。

一方、平成25年と平成26年は、5月中旬に鉢上げをしています。 セルトレイから苗を取り出し、ポットに植え替えるときにどうしても根を切るので、 おそらく、この両年は、5月20日過ぎまで、室内で養生していたと思います(はっきり憶えてはいないのですが)。 そして、5月下旬になって、定植をするための準備として、2~3回くらい?外に出して寒さに慣らそうとしたのだと思います。

この5月中旬に、外に出すか出さないか その違いが決定的だったようです。 今年(平成27年)の苗は、太陽に当ててしっかりした苗をつくろうと外に出したのですが、札幌の5月中旬の晴れた日中であっても、キュウリの苗にとっては寒かったようです。 平成27年は、鉢上げ(移植)をしなかったために、苗が順調に大きくなり、そのために、早めに外に出したのですが、そのことが、反対に、気温の低さにより苗の成長を後らせた、阻害したようです。  いわゆる、 苗が拗れた(こじれた)のです。 葉色が薄く、葉が内側に播いているのは、その表われなのでしょう。

6月中旬以降は、3ヶ年の気温にそれほどの違いはないので、幼苗期に寒さに当てて苗を拗らせると、その後の回復(成長)に著しい影響を与えるようです。 実際、今年の苗は7月に入っても成長しない、株が大きくならないと感じました。 植物も人間と同じのようで、何らかの原因で幼苗期に成長を止める、もしくは遅らせると、その影響は一生続くのです。

今年は、移植の手間を省こうとポットに種をまきました。 確かに、移植するよりも早く成長して苗は大きくなりますが、そのことが、
①早く植えてたくさん収穫したい、
②このまま室内で管理しているとひょろひょろの苗になる → 太陽に当てなければならない
という気持ちになり、 少し寒いけれど、「外に出す」 ということになるのです。

ということで、
ビニールハウスなどの施設のない、個人が室内で種をまき、苗を育てる場合は、5月中旬に苗を外に出さなくてもよい育て方が必要なようです。 実際のやり方として、キュウリの育苗期間は、は種から定植まで1ヶ月弱と比較的短いので、5月上旬に種をまき、5月中旬に鉢上げ(移植)するか、若しくは、5月10日過ぎに種をまいて、5月下旬から外に出して寒さに慣らして、6月上旬に定植する、このどちらかのようです。  来年は、後者、5月10日に種をまこうと思っています。

 

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