ミツバアケビ(その1)

2ヶ月ぶり?に行く森林総合研究所への道すがら、藻岩山を眺めると、真夏の、お盆前の濃緑色の山肌がところどころ淡い緑へと微妙に変わりつつあるようです。そろそろ、ゆっくりと冬への備えを始めているようです。
森林総合研究所では、大きくなったアケビの実を見つけました。
1-014 アケビ2014.9.2
形は楕円形で、大きさは10cm弱です。手で触ると、皮は鉄のように硬いです。
1-015 アケビ2014.9.2
アケビ(ミツバアケビ)はつる性なので、ここでは高さ2m強の鋼製の棚に蔓を這わせています。
1-014 ミツバアケビ2013.4.29
4月下旬、展葉と同時に花芽も伸張します。
1-009 ミツバアケビ2011.5.22
5月下旬には、小豆(あずき)色?濃暗紫色の花を咲かせます。花梗の基部側に咲いている大きな花が雌花で、先の方に小さい花がまとまって付いています。それが雄花のようです。
1-007 ミツバアケビ2011.5.30
花には花弁がなく、花弁状のがく弁が3個ある。(樹に咲く花)
“樹に咲く花”では花弁状のがく弁が3枚と記していますが、写真の花は4枚あります。自分で撮った他の写真を見ても、がく弁4枚の花があり、北海道のアケビ(森林総合研究所)は、4枚のがく弁は珍しくなさそうです。
1-017 ミツバアケビ2011.11.3
真夏には白っぽい色をした果皮が褐色に変わり、果実が成熟するころには紫色を帯びます。
1-016 ミツバアケビ 森林総合研究所2011.11.3
硬い果皮がカパット開くと、その中に半透明の果肉が見えます。果肉の中に黒く見えるのが種子です。
その果肉を食べると、淡い甘みが口の中に広がります。が、たいして美味しくもありません。
「あぁ、アケビね、昔食べたことがある。」という方は、おそらく、チョコレートやキャンディのない甘いものが少なかった時代に育った、年齢は70才を超える戦前生まれの方ではないでしょうか。
1-042 ミツバアケビ2011.10.8
ミツバアケビの葉は、三つ葉((3出複葉)で、葉の先端は少し凹み、ふちは不整形な波状の鋸歯があります。
<余談> アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビ
アケビの仲間には、アケビ、ミツバアケビ、ゴヨウアケビの3種類があり、葉で見分けられます。アケビは小葉5枚からなる掌状複葉で、小葉は楕円形で縁に鋸歯がありません。ミツバアケビは小葉が3枚で、縁に波状の大きな鋸歯があります。ゴヨウアケビは小葉は5枚ですが縁に鋸歯があり、アケビとミツバアケビの雑種と考えられています。(ブログ“花便”より  http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/1586/akebi.htm
北海道には、ミツバアケビとゴヨウアケビが自生していて、アケビは自生していません。北海道で自生している場所は、ゴヨウアケビは北海道南部、ミツバアケビは石狩以南となっています。(北海道樹木図鑑)。
“札幌の植物”(原 松次編著)によると、ミツバアケビは札幌周辺では、硬石山で見かけたことになっています(この場所のみ)。ゴヨウアケビはこの本の一覧に載っていないので、札幌周辺での自生はしてないようです。

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