山毛桃(さんもうとう)

豊平区西岡にある森林総合研究所(正式名称:独立行政法人 森林総合研究所北海道支所)の正門を入って、広い道路を100mくらい登っていくと右手に駐車場とそれに面して標本館があります。その横から樹木園に入るのですが、最初に出会うのが今回取り上げるサンモウトウ(山毛桃)です。樹が大きい割りに花が咲いている部分が少なく、見過ごしやすいのですが、白い花を4月下旬に咲かせます。札幌で4月に花を咲かせる樹はコブシとサンシュユくらいですが、このサンモウトウも数少ないうちの一つです。満州桜の別名があるように、寒いところで生育する樹のようです。
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左の写真は2013年4月29日、右は2011年4月24日に撮っています。今年のような異常に寒い春でも4月30日にはおそらく咲いていたようなので、この樹は札幌で確実に4月末に花を咲かせる樹のようです。
1-060 ノモモ(akaji )2011.4.29
説明板によると、この樹はカラモモ(唐桃)を台木にサンモウトウを接いでいるのだそうです。写真の太い幹がサンモウトウで、周囲から斜めに出ているひこばえのような枝が台木のカラモモのようです。
1-013  ノモモ(akaji )2011.4.29
モモは花柄がないのでサクラの仲間と咲き方は違いますが、満州桜の別名があるように、白い花を咲かせるのでモモの花というよりサクラの花に近い感じです。
1-014 ノモモ(akaji)2011.5.5
5月下旬になると、
1-001 ノモモ2011.5.30
今度は台木のカラモモに花が咲きます。サンモウトウの花はもうとっくに終わって細長い葉を出しています。主客転倒と言おうか、説明板がなかったら、これがサンモウトウと思ってしまうくらいきれいに咲いています。
写真の太い幹を見ると、以前はサンモウトウも見事に花を咲かせたのでしょう.太い幹枝が伐採されて、現在ではそこから出た細い枝に花を咲かせるだけになってしまっています。モモの寿命(樹齢)は短いと言われていますが、接ぎ木をして何年くらいでこの太さになって、いつごろから衰退しだしたのでしょうか。
1-001 ノモモ 台木 日本産(akaji )2011.5.22
サンモウトウ(山毛桃)とカラモモ
1. サンモウトウ:樹木図鑑ではサンモウトウは見つかりませんでした。ウェブサイトで調べると「山毛桃」は出ているのですが、ほとんどの項目が中国語で書かれているために、何のことかさっぱりろわかりません。日本ではほとんどに植えられていない樹のようです。満州桜の別名があるように中国東北部など寒い地域に植えられている樹のようです。
2. カラモモ この樹もサンモウトウ同様に樹木図鑑では見つかりません。それで広辞苑を調べると、「①アンズの古名、②中国原産のモモの一種。葉は細長く蜜に茂り、小木であるが、花は多く咲き、単弁、重弁、紅・白など。実も多い。寿星桃」とあり、このカラモモは花を鑑賞する種類のようです。そして、説明板に書かれている「台木カラモモ」は①ではなく②をことを指しいるのではないでしょうか。
〇 Data(モモ)
・科名 バラ科
・属名 サクラ属
・学名 Prunus percica
・分布 中国北部原産 学名の小種名が persica(ペルシャ)という意味なのに、中国原産とは摩訶不思議

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