モモ:札幌でもこんなに大きくて立派なモモがつくれる

私の働いている職場に、トマト、キュウリ、ピーマンなどの苗を自分で種をまいて育てている人がいます。それも、「シシトウはこの種類がおいしい」、「トマトはこの品種にかぎる」などといって、最寄の園芸店ではなく、“タキイ種苗”や“サカタのタネ”から種苗を取り寄せる園芸好きな方がいます。その方は、モモ(大玉白鳳)もつくっています。
1-006 モモ2014.9.9
道路と建物の間に植えられています。左がモモ “大玉白鳳” で右が洋ナシ “ラ フランス” です。
今回はこのモモ“大玉白鳳”のお話です。
職場の方の話によると、
・ このモモは、平成2年、今から24年前に植えた。 植えてから3年目に最初のモモを収穫した。
「桃栗3年柿8年」と言いますが、そのとおりのようで、モモは植えてからの収穫時期は早いようです。
・ モモは大きくなる樹なので、場所が場所だけに剪定整枝でこじんまりとおさめるのが大変である。
・ 肥料は、当初、株の小さい頃はやっていたけど、大きくなってからはやっていない。
1-002 モモ2014.9.9
・ 収穫時期は、例年9月20日頃(秋分の日前後)。今年は、少し早めになりそう。
・ 除袋は、収穫1週間~10日前に行い、モモに着色する。
・ 例年、20個ほど実をつける(夫婦2人なので、それで十分)。
・ 今年は、実を少しつけすぎたようで、木に負担をかけているようだ。
・ モモの木は採れる期間が短いので、、今年、こんなにつけたら、来年はそんなに採れないかもしれない。
モモは植えてから最初に採れるまでの期間が短い分、採れなくなるのも早いようです。、20年もすると採れなくなるといわれています。木自体の寿命も短いようです。園芸好きのこの方も、このことが頭にあって心配しているようです。
以上のようなことを話してくれました。それにしても、おいしそうなモモがたくさん生っています。学生時代に山梨県で夏休みに、モモの収穫のアルバイトをしたことがあって、このモモを見て、その当時を思い出しました。
1-003 モモ2014.9.9
1-005 モモ2014.9.9
札幌では、家庭の庭に“千両”ナシをよく見かけます。それは、アブラムシに気を付けていれば、とりあえず大きな果実が生り、比較的手当て(栽培管理)が楽なのです。 しかし、モモはそうは行きません。縮葉病があります。これを克服しないと、立派なモモは収穫できないのです。 その手当がなかなか大変なのですが、来年は、どのように栽培しているか、袋かけは?、縮葉病対策は? 剪定は?その時々に教えてもらおうと思っています。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

サンモウトウ(その2)

日曜日、久しぶりに豊平区西岡にある森林総合研究所に行ってきました。当施設の一般者用の駐車場は10~15台しか留められない小さなものなので、普段はほとんど車の姿はありません。ところが、今回は、6~7台の車が留まっていました。当研究所の奥にある西岡の山へ“きのこ狩り”に入ったのでしょうか?
今回は、今年5月21日に紹介した“サンモウトウ(山毛桃)”のその後の姿です。ブログ画面右側のカテゴリーの“モモ”をクリックしてください。開花時のサンモウトウを見ることができます。 サンモウトウは“満州桜”という別名があります。
RIMG0018(赤字)2013.9.29
おさらいをすると、サーモンピンクの花(赤味を帯びたピンク色の花)を咲かせる“カラモモ(唐桃)”の台木にピンクの花を咲かせるサンモウトウ(山毛桃)を接いだ樹です。
RIMG0020(赤字)2013.9.29
サンモウトウの葉は細くヤナギを連想させます。
RIMG0019(赤字)2013.9.29
台木のカラモモにはたくさんの実をつけます。大きさは直径3cmほどで、ピンポン玉を一回り小さくした大きさです。かじってみると、モモの味がほのかにする程度で、硬くて美味しくありません。果実酒として使えるのでしょうかね?
RIMG0050(赤字)2013.9.29
左が“カラモモ”、右が“サントウモウ”の葉です。比べてみると、やはり“サンモウトウ”の葉は細いですね。

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

山毛桃(さんもうとう)

豊平区西岡にある森林総合研究所(正式名称:独立行政法人 森林総合研究所北海道支所)の正門を入って、広い道路を100mくらい登っていくと右手に駐車場とそれに面して標本館があります。その横から樹木園に入るのですが、最初に出会うのが今回取り上げるサンモウトウ(山毛桃)です。樹が大きい割りに花が咲いている部分が少なく、見過ごしやすいのですが、白い花を4月下旬に咲かせます。札幌で4月に花を咲かせる樹はコブシとサンシュユくらいですが、このサンモウトウも数少ないうちの一つです。満州桜の別名があるように、寒いところで生育する樹のようです。
1-RIMG0011 320 1-063 32
左の写真は2013年4月29日、右は2011年4月24日に撮っています。今年のような異常に寒い春でも4月30日にはおそらく咲いていたようなので、この樹は札幌で確実に4月末に花を咲かせる樹のようです。
1-060 ノモモ(akaji )2011.4.29
説明板によると、この樹はカラモモ(唐桃)を台木にサンモウトウを接いでいるのだそうです。写真の太い幹がサンモウトウで、周囲から斜めに出ているひこばえのような枝が台木のカラモモのようです。
1-013  ノモモ(akaji )2011.4.29
モモは花柄がないのでサクラの仲間と咲き方は違いますが、満州桜の別名があるように、白い花を咲かせるのでモモの花というよりサクラの花に近い感じです。
1-014 ノモモ(akaji)2011.5.5
5月下旬になると、
1-001 ノモモ2011.5.30
今度は台木のカラモモに花が咲きます。サンモウトウの花はもうとっくに終わって細長い葉を出しています。主客転倒と言おうか、説明板がなかったら、これがサンモウトウと思ってしまうくらいきれいに咲いています。
写真の太い幹を見ると、以前はサンモウトウも見事に花を咲かせたのでしょう.太い幹枝が伐採されて、現在ではそこから出た細い枝に花を咲かせるだけになってしまっています。モモの寿命(樹齢)は短いと言われていますが、接ぎ木をして何年くらいでこの太さになって、いつごろから衰退しだしたのでしょうか。
1-001 ノモモ 台木 日本産(akaji )2011.5.22
サンモウトウ(山毛桃)とカラモモ
1. サンモウトウ:樹木図鑑ではサンモウトウは見つかりませんでした。ウェブサイトで調べると「山毛桃」は出ているのですが、ほとんどの項目が中国語で書かれているために、何のことかさっぱりろわかりません。日本ではほとんどに植えられていない樹のようです。満州桜の別名があるように中国東北部など寒い地域に植えられている樹のようです。
2. カラモモ この樹もサンモウトウ同様に樹木図鑑では見つかりません。それで広辞苑を調べると、「①アンズの古名、②中国原産のモモの一種。葉は細長く蜜に茂り、小木であるが、花は多く咲き、単弁、重弁、紅・白など。実も多い。寿星桃」とあり、このカラモモは花を鑑賞する種類のようです。そして、説明板に書かれている「台木カラモモ」は①ではなく②をことを指しいるのではないでしょうか。
〇 Data(モモ)
・科名 バラ科
・属名 サクラ属
・学名 Prunus percica
・分布 中国北部原産 学名の小種名が persica(ペルシャ)という意味なのに、中国原産とは摩訶不思議

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村