ニセアカシアの芽出しはなぜ遅いのか?

追記:6月16日 ニセアカシアのてんぷら
047 ニセアカシア2012.6.15
「ニセアカシアの花はてんぷらにするとおいしいよ」と聞いていましたので、試してみました。
近くの川原でニセアカシアの花を摘んできて、
①花の中の虫などを取り除くために、水で濯ぎます。
②キッチンペーパーで水分を取り除きます。
③ころもをつけて、さぁっと揚げます(約30秒位?)
049 ニセアカシア てんぷら2012.6.15
出来上がりです。揚げたてはサラダ油の匂いと織り交ざってニセアカシアの甘い香りが鼻腔を刺激します。揚げたてを食べれば、てんぷらの材料の一つとして使えます。取り立てて美味というほどではありませんが、年に一度、季節を感じる一品として楽しむことが出来ます。
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追記:6月15日 ニセアカシアが満開です。
043 ニセアカシア 南郷通2012.5.27
南郷通のニセアカシアです。5月上旬に芽吹いたニセアカシアが5月下旬になってやっと新芽から新葉になったところです。
050 ニセアカシア 南郷通2012.6.12
それから2週間ちょっとで白い花を咲かせます。
051 ニセアカシア 南郷通2012.6.12
南郷通中央分離帯植えられているニセアカシアの中で、目立って花付きの良い樹です。全ての樹がこれくらい花をつければ壮観でしょうね。
016 ニセアカシア2012.6.13
230号線石山大橋近くの豊平川沿いにあったニセアカシアです。
013 ニセアカシア 石山大橋012.6.13
これも上の写真と同じ場所で撮ったものです。南区の豊平川沿いはニセアカシアの白い花で一杯です。
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5月も下旬に入り、周辺の山々は新緑で覆われ、公園や街路樹の樹木も勢いよく葉を広げ始めました。芽だしの遅いシンジュやプラタナス、そしてニセアカシアも芽吹き始めました。
街中には街路樹として、ナナカマド、イチョウ、プラタナス、ニセアカシアが多く植えられています。ナナカマドが4月下旬に芽吹き、中旬には青々と葉を展げます。イチョウも目出しは遅い部類に入りますが、5月中旬後半には芽吹き始めます。
ニセアカシアとプラタナスの展葉はそれよりも遅い感じがします。街中の街路樹でよく見かけるこの2樹種は、毎年、剪定されるために新芽が少なく展葉しても数が少ないため新緑が目立ちにくいということもあると思われますが、それでも、公園の樹木や庭樹が新緑で青々としているのと比べると、この2種の芽だし・展葉がひときわ遅いように思います。5月下旬になっても枯木ような街路樹が目につくのです。
それで、ニセアカシアの芽だし時期がいつごろ始まり、どのように変化するのかを観察してみました。
089 ニセアカシア2012.5.20
真駒内公園です。青々とした樹木と芝生の中で、中央に枯木のように見える樹が数本立っています。ニセアカシアです。
009 ニセアカシア2012.4.21
我家の近くに生えているニセアカシアの新芽を4月下旬に撮ったものです。普通、多くの芽は、サクラやハルニレのように芽鱗と呼ばれる新芽を保護する鱗状の小片を被っています。しかし、ニセアカシアの芽は隠芽と呼ばれ、葉痕の中に新芽が隠されています。この写真は、新芽が動き出して、葉痕を押し上げているところです。
143 ニセアカシア2012.5.2
そして、5月上旬には新しい芽を出しています。ちょうど、エゾヤマザクラの花が咲く頃で、多くの樹木が芽吹き始める頃です。
065 ニセアカシア2012.5.5
3日後には、少し展葉しかけています。
017 ニセアカシア2012.5.17
葉を展げていますが、枝の太さと比較して見てください。芽出しから半月近く経ってもこの大きさにしかならないのです。どうも、ニセアカシアは、他の樹木に比べ、展葉の仕方、芽出しからの成長が遅いようです。
最初の写真で「枯木のように見えるニセアカシア」と表現しましたが、実は、枝先には新葉が展開しているのです。1枚目の写真でニセアカシアの枝先がモヤモヤしているのは、新芽のようです。ニセアカシアの新緑が目立たなくて枯木のように見えるのは、新芽の色合いが暗緑色であることと、その成長が遅いこと、この2つに原因があるようです。
それでは、「なぜニセアカシアの新芽の成長は遅いのか?」
推論をしてみました。
落葉広葉樹は、通常、葉を落とす前に、葉にある養分、主に窒素を樹体に引き戻します。それを済ませてから落葉します。ところが、ニセアカシアは違うようです。ニセアカシアの落葉は遅く、札幌の都心部では11月の半ば近くまで葉をつけています。落葉した葉を見ると、イチョウの黄色やモミジの紅色、ナラ類の茶褐色などではなく、緑ががかった灰色をしています。窒素分を残したまま落葉するのです。
通常、樹体内の養分は、落葉後の冬期から春の芽出し前の時期に多く、夏場は少ないと言われています。その理由は、春から夏にかけては、蓄ええてきた養分と新しく葉で作られた養分は新葉の充実に使われます。その次に、樹体組織の充実が行われ、それが終わった段階で、冬の厳しい気象条件に備えるための体力の増強と春の芽出しを行うために養分を蓄えると考えられます。
ところが、ニセアカシアは窒素分を葉に残したまま落葉します。ニセアカシアは空気中の窒素を固定する根粒菌が根に共生しており、他の樹木に比べて容易に窒素を得ることができます。そのために、窒素を葉から引き上げる必要がないのです。ニセアカシアにしてみると、窒素を引き上げるのにもそれなりのエネルギーが必要で、葉から窒素を引き上げて体内に戻すのに使うエネルギーより、落葉時に窒素分を残したまま葉を落として、根粒菌から窒素分をもらったほうがエネルギー効率がいいと考えているのではないでしょうか?。おそらく、ニセアカシアは冬場に備える体力に必要なだけの栄養分しか蓄えないのです。春の芽出しから成長は前年秋に蓄えた栄養で成長させるのではなく、根から吸収する養分と根粒菌から得られる窒素に頼ろうと考えているのではないでしょうか?、芽出しからの成長が他の樹木より遅くなるのは、これらの理由からだと思うのですが、いかがでしょうか?

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