オオウバユリ 果実  

2019.9.12
7月下旬に花を咲かせたオオウバユリも、それから1ヵ月過ぎると、果実はまだ緑色をしていますが、根もとの葉は黄色く枯れてきています。 2019.10.3
さらに1ヵ月弱が過ぎる10月上旬になると、下葉は完全に枯れ黒くなってきます。 果実も褐色に変わり、中の種子が見えるようになります。 ⇒ オオウバユリ

2019.10.3
1個の果実の大きさは6~7cmで、熟すると3つに裂けます(3室に分かれる)。 上写真右は果実を1/3に割って、それを下に折り曲げたものです。 1室に種子が縦2列に整然と層をなしています。 1層の種子数を数えてみると、約110枚入っていたので、1個の果実に700枚前後の種子が入っていることになります。
2019.10.14
種子の形状は三角形で丸みを帯び、大きさは1.5cm程です。 種子には半透明の薄い膜(翼)がついていて、風でより遠くへ舞い散るようにできているようです。

オオウバユリの写真を撮っていたら、子供たちの声が聞こえてきました 。そちらの方を振り向くと、子供たちがオオウバユリの茎(花梗?)を左右に振って、果実から種子を飛び出させていました。 その舞い散る様子が面白いのでしょうか?、それとも、種子が果実の中で揺さぶられるときに出る音、カシャカシャが珍しいのでしょうか?、次から次と手当たり次第に茎を振っていました。

<余談>
姥百合(ウバユリ:本州産)は、花の咲く時はたいてい葉は枯れているので、花の時、歯(葉)がもうないことを、女児を世話する女が娘が成人して花の十八となった頃にはもう歯の抜けたうばになるのにたとえてこの名ができたという。(牧野 新日本植物図鑑)

花盛りのころには、根元の葉が枯れてなくなることから、葉のないのを歯なしの姥にたとえて、ウバユリの名がついた。 しかし、写真でもわかるように葉のあるものも多い。(日本の野草)

ウバユリは花の咲く頃には、葉が黄色くなる株も出るようですが、オオウバユリの葉は青々としています。 オオバユリは、地下にあるユリ根の養分を使って一生に一度だけ開花結実した後に枯れてしまうのですが、アイヌの人は葉の大きさや枚数からいつ花が咲くのかが分かっていて、その前年にユリ根を掘り起こしていたのでしょうね。

 

 

 

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