オオウバユリ

2019.7.15 豊平公園
ちょうど今、オオウバユリが満開です。 写真は、北海道立総合体育センター  “ 北海きたえーる ”と豊平公園の境界近く、豊平公園内樹林地、園路沿いに生えています。 2019.7.15
オオウバユリの花。 形状はユリ科なのでユリの花に似ていて、一つの花穂に数個~十数個の花をつけます。 ユリ科ウバユリ属。
2017.7.15 円山公園 円山川沿いの木道傍

ここのオオウバユリは、木道沿いにスギの大木が立ち並んでいるために陽が当たらないせいか、1花穂の花数が少ないです.
オオウバユリは発芽から開花するまで数年~10年以上?を要し、しかも、1回だけ花を咲かせてその一生を終える多年草植物で、このような生活史をもつ植物を一回結実性植物、または、一稔生植物、一回繁殖型多年草と言うそうです。

ちなみに、その年に開花・結実した株は地下にあるユリ根(鱗茎)の養分も使い果たし完全に枯死してしまうのですが、その鱗茎には小さな鱗茎がついていて、それが成長して3年くらいで開花するそうです。


写真はオオウバユリの新葉展開時の葉。 照葉で葉の葉脈(主脈と側脈)が赤っぽいのが特徴。
オオウバユリは、発芽した年は1枚の葉を出し、年ごとに葉を1枚、2枚と増やして(必ずしも毎年1枚ずつ増やすということではない)、葉が5枚以上出るようになると花茎を伸ばして花を咲かせるようです。 写真左の株は芽出し時期に葉が4~ 5枚あるので、今夏か来夏には花を咲かせるのでしょうか?

〇 アイヌの人々とオオウバユリ
北海道の地名にはトゥレ・ウシ(ウバユリのたくさんあるところ)とか、トゥレウタシナイ(ウバユリをどっさり掘る沢)などというのがある。それは澱粉質のこの植物が豊富にある土地に名付けられたものであり、この植物に関する神話が各地にいろいろと伝承されているのは、この植物の鱗茎が昔の食生活に重要なものであったからである。 旧暦の4月のことを少しウバユリを掘る月と呼び、5月をどっさりウバユリを掘る月と呼んでいる。 まだ花の咲かないこの季節に掘り取った鱗茎を臼かヤチダモの皮をはいだ舟形の容器の中でつぶし、どろどろになったのにハンゴンソウ(ナナツバ)の葉を入れて発酵させ、シナノキやブドウの皮で編んだ袋に入れてこし、下に溜まった澱粉を干して貯蔵する。 粕もドーナツ形にかためてつるして干しておき、いずれも冬の貯蔵食料にした。 これを掘る季節には、つぶした鱗茎をフキの葉などに包んで土に埋めた上でたき火をして、むし焼き弁当にした。 北海道北部地方ではカツラの木を煮た汁に米とウバユリを入れたお粥をつくり、それに麹を入れて発酵させ、濁酒をつくったともいう。
(北海道大百科事典 オオウバユリ 更科 源蔵)

 

 

 

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