サンシュユ

札幌にもやっと春らしい陽気(5月8日:水)がやってきました。最高気温は13℃と例年のこの時期としては低いのですが、今年は今までが寒すぎたために、この気温で体に当たる風は冷たくても、やっと春が来たと思える陽気になりました。札幌の中心部にある大通公園にはコブシ1-016 コブシ 大通西7丁目?やレンギョウ1-020 大通4・5丁目が遅まきながら咲き始めています。
これらの樹木と同じように春一番の開花を競う樹木があります。サンシュユです。
1-RIMG0015.jpg2013.5.8 精進川公園
樹の大きさは3m強です。背後にある樹木は、ちょうど芽吹き始めたナナカマドです。
1-RIMG0018.jpg2013.5.8
まだ、花弁は開いていません。正確には開花と言えないのですが、つぼみが開いてその中から雄しべの白い葯(やく)が出てきてそれが見えるより、花弁が閉じているつぼみの方が黄色が鮮やかに映るように思います。
1-RIMG0012-001.jpg2013.5.8
1-052 サンシュユ2012.4.30
これは北大植物園にあるサンシュユです。樹高は8m前後ありそうです。サンシュユとしては大きい部類(最大級?)に属するのでしょう。
以前夏場にこの樹を見て、「春の開花時には樹冠全体が鮮やかな黄色に覆われると美しいだろうな」と思っていたのですが、その翌年、いざ見てみると花はまばらで鮮やかさに欠けるのです。周りにブナの高木がサンシュユの上部を覆っているために花芽がつきにくいのか、それともその年がたまたま花付きの悪い年だったのかその理由はわりませんが、残念というか期待はずれでした。見上げるような高木の樹冠全体が鮮やかな黄色に覆われるサンシュユを一度見たいものです。
この樹のもう一つの特徴(目を引くところ)は樹肌です。
1-102 サンシュユ2012.5.28
一見すると、樹肌は白っぽくザラザラしている感じですが、
1-101 サンシュユ2012.5.28
よく見ると、プラタナス、ナツツバキやヤマボウシと同じように、樹肌が斑模様状に剥げ落ちていくタイプようです。
このサンシュユは公園はおろか個人の庭でもほとんど見かけません。ここで紹介した精進川公園と北大植物園以外では、南区にある藻岩小学校の校門横の植込みぐらいです。市場での流通量が少なく手に入れるのが難しのでしょうか。それでも、春一番に花を咲かせ、成長がゆっくりで大きくなっても8m位ですから、個人の庭や小さな公園にぴったりです。街中にもう少しあってもよさそうな樹です。特に札幌のように半年近くを雪の中に埋もれる北国では、人々の春を待ちわびる気持ちは一際強く、春一番に花を咲かせるサンシュユは最も喜ばれる樹木と思うのです、いかがでしょうか?
名前の由来
牧野新日本植物図鑑では、
サンシュユは漢名を山茱萸とみていて、それの音読みである。この漢名の宛て方に疑問を持ったので、前版では春黄金花と名付けたが、これは春に黄色い花が咲くからである。
Data
・科名 ミズキ科
・属名 ミズキ属
・学名 Cornus officinalis
・花期 4月下旬~5月状中旬
・分布 中国、朝鮮半島

にほんブログ村 写真ブログ 植物・花写真へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA