シナノキとオオバボダイジュ(その2)

オオバボダイジュとシナノキは、共に樹高が15~20mになる北海道に自生する落葉高木です。公園に,街路樹として多く利用されています。札幌市内の街路樹について言えば、平成23年4月現在で約10,000本(国道:1,300本、市道・道道:8,700本)植栽されています。しかし、この数字はシナノキとオオバボダイジュを併せたもので、両樹種の正確な数字はわからないのです。その理由は、オオバボダイジュと言われている街路樹路線でもシナノキが混じっているのです。その例として、中央区大通西20~28丁目に植えられているオオバボダイジュの街路樹がありますが、その中にシナノキが混じっているのです。
011 シナノキ2011.7.2
これは、大通西20丁目以西の街路樹オオバボダイジュを7月上旬に撮ったものです。この頃になると、両種の違いはほとんど分からなくなります。
公共工事で使う樹木は、現在は実生の育苗ものがほとんどと思いますが、昭和40~60年代の公共工事が盛んであったころは、山採りを利用することも多く、両種が混じるケースもあったようです。札幌市で、シナノキとオオバボダイジュの街路樹本数を合算してい扱ってきたのも、その見た目の類似性によるもののようです。
しかし、見た目による類似性もよく見るとその違いはあります。
153 オオバボダイジュ シナノキ2012.5.13
これは、真駒内公園のシナノキとオオバボダイジュの群植です。まだ新葉が少なく芽吹き初めのがオオバボダイジュで、新葉が青々としているのがシナノキです。石山緑地(北ブロック)にも両種があるのですが、やはり、オオバボダイジュのほうが出葉は遅いです。1週間前後の差があるように思います。
葉が成長してしまう夏場になると両者の違いは分かりづらくなるのですが、オオバボダイジュは新葉から若葉までの期間、葉裏が蜜毛におおわれているため樹冠全体が白っぽく見えます。044 シナノキ2011.5.19
041 オオバボダイジュ2012.5.30
上の写真がシナノキで、下がオオバボダイジュです。オオバボダイジュの葉柄を見てください。蜜毛に覆われて白く見えます。オオバボダイジュの葉裏もこれほどでないにしても 蜜毛が多く白っぽく見えます。
041 シナノキ(字入り)2012.7.21
シナノキには、新梢にも葉柄にも新芽にも毛はありません。
040 オオバボダイジュ(字入り)2012.7.21
一方、オオバボダイジュには、葉柄と新梢にびっしりと毛が生えています。そして新芽にも
このように、オオバボダイジュは枝葉に蜜毛がおおいことから、遠くからでも白っぽく見える原因 のようです。
109 オオバボダイジュ (マル付き)2011.5.30
先程の大通西20~28丁目の街路樹オオバボダイジュを5月末に撮ったものです。
オオバボダイジュの芽出しがシナノキより少し遅く、芽出しから新葉時にかけて樹冠全体が白っぽく見えることを念頭において、ここの街路樹を見ると、赤丸の樹がシナノキのように思えます。

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