スズカケノキ:見かけないプラタナス

札幌市の公園や街路樹でプラタナスをよく見かけます。大通公園には樹高が25m前後で幹径が1mくらいありそうな大きなプラタナスが何本もあります。北海道庁周辺には樹高が15m前後ある立派なプラタナス(街路樹)が立ち並んでいます。
011 プラタナス 真駒内南町公園2011.8.25
昭和40年前後に植えられたプラタナス 樹高約20m弱、幹径80cm、南区真駒内南町公園
これらのプラタナスは“モミジバスズカケノキ”と呼ばれる種類です。札幌市内のプラタナスは、ほとんどこの種類のようです。日本の公園などにあるプラタナスは“スズカケノキ”、“アメリカスズカケンキ”“モミジバスズカケノキの3種類ですが、北海道樹木図鑑に載っているプラタナスは、“モミジバスズカケノキ”のみで、“スズカケノキ”と“アメリカスズカケノキ”は未記載です。おそらく、北海道では、この2種はほとんど?なかなか“出会うことがない樹”だからなのでしょうね。
この“モミジバスズカケノキ”は、“スズカケノキ”と“アメリカスズカケノキ”の交配種で、イギリスでつくられたといわれ、日本に明治末期に移入されています。札幌の街路樹では、昭和12年(1936年)に西5丁目線(北海道庁東側の道路)が最も古いものとされています。
しかし、見つけました。中島公園で“スズカケノキ”を見つけました。
025 スズカケノキ2013.7.7
樹高は約10m、幹径は70~80cmです。 一見して、普段見かけるプラタナス“モミジバスズカケノキ”と違うのがわかります。それは、葉の大きさです。
073 スズカケノキ2012.9.2
このスズカケノキの葉の大きさは、モミジバスズカケノキの1/3です。特別に小さい葉を選んで写真を撮ったわけではありません。この樹に付いている標準的な大きさのもを選んでいます。“モミジバスズカケノキ”の葉は縦横ともに20cm以上あるのですが、スズカケノキの葉は、10cm前後でしょうか。葉を触った感触は固めです。
写真のスズカケノキには樹名板がつけられていて、それには昭和54年5月と記されています。ので、樹齢は45~55年くらいでしょうか。
植えられた時期から考えると、普段見かけるプラタナス“モミジバスズカケノキ”に比べ、その大きさは小さめで、枝の伸び方も短いようです。写真では分りづらいですが、数年前に剪定されています。
080 スズカケノキ2012.7.22
スズカケノキの若い果実
<余談:この樹が本当のスズカケノキ?>
樹名板には、学名:Platanus.orientalisと書かれているので“スズカケノキ”なのでしょうが、この樹の果実と葉が樹木図鑑などに記載されている、“スズカケノキ”と少し違うようなのです。図鑑などでは、葉に深く切れ込みが入り、果実は数個つくと記載されているのですが、中島公園のものは、葉の切れ込みが深くなく、果実も1個のものが多いのです。樹形・樹姿や葉の大きさから、“モミジバスズカケノキ”ではないのは明らかなのですが、“スズカケノキ”であるとははっきり言えないようです。

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