トチノキ (その2) ベニバナトチノキ

追記:6月11日
北4条西20丁目のベニバナトチノキについて、元中央区土木センターに勤務していた方から情報をいただきました。2007年6月頃の農業新聞に掲載された記事だそうです。
1982年、今から25年前(現在では30年前)、地域の人たちが環境保全にと市に頼んで高さ2~3mの「幼木」植えたのが始まり。樹齢を重ねて高さ14~15mもある成木になり、5月末から6月半ばにかけて赤い房状の花を咲かせる(新聞記事の一部を抜粋)
この記事から推測すると、今から30年前に、数年かけてトチノキの幼木を植えて、順次ベニバナトチノキを接ぎ木したのでしょう。接ぎ木後25~28・9年は経っているのでしょうか。
誰が接ぎ木をして、その後の世話を誰がしたのか?この記事には書かれていませんが、白花のトチノキが幅を利かせるようになっているにせよ、ベニバナトチノキがここまで立派に育ったのは、地域の方の日頃の目配りが大きな要因ではないでしょうか。
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018.jpg2012.5.31
街路樹の樹冠に赤い点々が見えます。ベニバナトチノキの花です。場所は北4条西20丁目。正面の建物は龍谷学園です。
深緑で緑量感のある樹冠の中に、赤い花が点々と咲いている光景は、なかなか見ごたえがあります。私が写真を撮りに行ったときも、2組の女性が同じように写真を取りに来ていました。
街路樹の延長が250m程あり、そこに、正確に数えなかったのですが、両側併せて約50本ほど植えられているのでしょうか。樹高は6~10m弱、トチノキのように枝を上に伸ばさないで横に広げるタイプで、樹形は、球形に近い感じです。
046 ベニバナトチノキ2012.5.31
ベニバナトチノキの花です。ベニバナトチノキは、アカバナトチノキとセイヨウトチノキの種間雑種です。
ある書物では、「ベニバナトチノキは、セイヨウトチノキ(マロニエ)とアカバナトチノキを交配し、その結実した種子を実生から育て、その木から咲いた花に、さらにもう一度セイヨウトチノキの花粉を戻し交配して人工的に作った品種である」書かれています。
400pxAesculus paviaL.(Dwarf_Red_Buckeye)Hippocastanaceae(1657458344)
アカバナトチノキ  wikimedia commonsより転写
450px-Aesculus_hippocastanum_flowers.jpg
セイヨウトチノキ  wikimedia commonsより転写
ベニバナトチノキは、アカバナトチノキの赤色とセイヨウトチノキの花の形態を持ち合わせており、両種の良いところを受け継いでいるようです。
話を街路樹に戻します。
樹幹を見ると、1.5~2mの高さに、樹肌が明確に分かれる線が一周しています。これは、この位置でトチノキを台木にベニバナトチノキを接木した痕です。ここのベニバナトチノキは幹径が30~40cmはありますので、30年、いや、それ以上前に接木されたのでしょうか?
2012.5.31
ベニバナトチノキ2012.5.31
もう少し歩くと、こんな樹に出会います。
1-021.jpg2012.5.31
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これは、接木をした後に、台木から出てくる芽を取り除かなかったために起きた現象です。ライラックの台木のイボタが地際からたくさん出ているのを見たことがあると思いますが、台木から出てくる芽を欠かないと最後はイボタになってしまう、あれと同じです。
左側の幹にトチノキの台木にベニバナトチノキを接いだ位置(線)が見えます。その位置からトチノキが芽を出して、ここまで太くなったのです。最後はトチノキになってしまうでしょう。当初は、全てのトチノキの苗木(街路樹)にベニバナトチノキを接木したと思うのですが、現在では、1/3はトチノキに化けてしまっています。

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