ヤチダモ  山本川(厚別区)

2017.9.24
写真は定山渓にある日帰り温泉湯の花の駐車場から国道沿いの山並をとったものです。  山裾に黄緑をしている樹が4本見えます。 ヤチダモではないかと思っています。 ヤチダモは他の樹種に比べていち早く黄葉します。 その色は鮮やかな黄色で、たまに、ほとんど脱色したような白っぽい葉した樹を見かけることもあります。  10月に入る前に鮮やかな黄色に染まった、背の高い樹を見つけたら、それはヤチダモの可能性が高いです。

2011.10.18
写真は、厚別区山本川沿いに植えられているヤチダモ。
このヤチダモは、山本川(山本排水路)の東側横に1.8キロメートル続いています。 昭和の初めに植えられたものがほとんどだそうで、樹齢は100年前後になるのでしょうか?

山本地区の開墾は、明治42年小樽の山本久右衛門が私財を投じて農場を開いたことに始まります。 一面泥炭地で造田に大変苦労したため、排水溝の造成に尽くしました。 これが発展し、今の山本川になりました。
その子の山本厚三も、父の意思を引き継ぎ、道路や排水路を整備し、広大な田畑の開墾を成し遂げました。 また、昭和19年には戦後の農地解放を待たず、低価格で農地を小作人に解放しました。山本親子に対する地域住民の感謝の思いは、「本田」と呼ばれていた地名を「山本」と改称しています。(札幌市のホームページを抜粋要約)
2011.10.18
このヤチダモ並木(防風林)は、山本川(排水路)が整備されるのと平行して植えられたものなのでしょう。 風除けをより効果的にするために、ヤチダモの樹林下には、ズミやヤマハギなど中低木が植えられています。

並木沿いを車で走るとその長さに圧倒されます。 それでも、未だにヤチダモは植え続けれています。 この幼木を見ると、この地域に住んでいる人々が、当時の人々の苦労を偲び、ヤチダモ並木(防風林)がこの地域の証として守り続けようとする強い意志のようなものを感じます。
2017.5.13
芽吹き前のヤチダモ並木(防風林)。
2017.9.22
夏場を過ぎて、そろそろ葉色が褪せてくる頃のヤチダモ並木(防風林)

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